自民・薗浦氏辞職で後任選び焦点 公明は南関東の選挙区狙う 与党内協議や駆け引き活発に

自民党本部=東京都千代田区

 自民党の薗浦健太郎氏(衆院千葉5区)が21日、政治資金収支報告書の過少記載疑惑で辞職したことを受け、同党は後任候補者を擁立するかどうかの検討を始めた。複数の関係者によると、来春の統一地方選の時期と重なることから見送り論も浮上。連立を組む公明党から候補者擁立に向けた打診があれば協議に応じる方向で調整しているといい、千葉を軸とした与党内の協議や駆け引きが活発になりそうだ。

 公明は南関東ブロック(神奈川、千葉、山梨県)の神奈川6区で公認候補の擁立を続けてきたが、新型コロナウイルス緊急事態宣言下に銀座のクラブを訪れた遠山清彦氏が責任をとり議員辞職したことで2021年の総選挙を前に返上。同ブロックでの擁立選挙区復活が党勢拡大へ向けた悲願となっている。

 10増10減の衆院小選挙区定数見直しにより千葉県は1増の14選挙区となる。このうち新14区は薗浦氏が地盤とした5区に近い。このため自民内には「5区だけでなく新区の14区にも問題の余波がおよぶ」(閣僚経験者)との懸念が広がる。千葉県連関係者は「補選の原因が原因なだけに『統一地方選とセットにされてはたまらない』というのが地方議員の本音」と明かす。

 自民幹部は「仮に補選で公明に5区を譲っても次の総選挙で新14区に自民公認候補が立てられるので失地回復は成る」と皮算用。「災いを自公連携強化へ転じるためにも、自民からの補選擁立の見送りを早く決めたほうが良い」と話した。

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