伝説的バンドのテリー・ホールさん死去、63歳 メンバー悲痛「愛する全ての人が不在を惜しむ」

英国のバンド「ザ・スペシャルズ」のボーカル、テリー・ホールさんが死去した。63歳だった。

19日、バンドはツイッターにこう発表している。「深い悲しみと共に、テリーが短い病気の後亡くなったことをお知らせします。私たちの素敵な友人、兄弟、この国が生んだ最高のシンガー、ソングライター、作詞家の1人でした」「テリーは素晴らしい夫、父親、優しくて面白い、最も純粋な魂のひとつでした」

「彼の音楽とパフォーマンスは人生の本質を凝縮していました。喜び、痛み、ユーモア、正義のための闘い、しかし大部分は愛です」「彼を知る、愛する全ての人がその不在を惜しむことでしょう。その素晴らしい音楽と深い人間性を残してくれました」「人生を肯定するザ・スぺシャルズのライブの終わりにテリーはよく3つの言葉『Love Love Love』でステージを後にしたものです」「この悲しい時に皆さんには家族のプライバシーの尊重をよろしくお願いします」

英国のスカシーンのパイオニアである同バンドはジェリー・ダマーズ、リンヴァル・ゴールディング、ホレス・パンターらによりイングランドのコベントリーで1977年に結成、翌年に、同市出身のテリー、ネヴィル・ステイプル、ロディ・バイヤーズ、ジョン・ブラッドベリーらが加入した。

ちなみにバンドのオリジナル名はジ・オートマティックス、そこからザ・コヴェントリー・オートマティックス、ザ・スペシャルズAKAジ・オートマティックスを経て1978年にザ・スペシャルズに落ち着くこととなる。最大のヒット曲『ゴースト・タウン』は1981年に勃発したイングランドでの暴動中、不満を募らせる人々のアンセムとなり、英チャート首位に3週に渡って輝いたものの、同年にバンドは解散する。

その後テリー、リンヴァル、ネヴィルはファン・ボーイ・スリーを結成、英チャートTop10シングルに4曲を送り込むも、テリーが脱退、新たにバンド、ザ・カラーフィールドをスタートさせていた。

その後ザ・スペシャルズは結成30周年を記念するツアーで2009年に再結成。2018年にはコヴェントリーのリコー・アリーナでザ・ローリング・ストーンズのサポートアクトを務め、翌年2月に37年ぶりのアルバム『アンコール』をリリース、英アルバムチャート首位に輝いていた。同年、テリーは最近の政治家の体たらくにうんざりしており、トニー・ブレアが党首となって以後、労働党の方針に同意できず同党に対する立ち位置が分からなくなったと明かしていた。

(BANG Media International/よろず~ニュース)

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