ワクチンの発症予防効果 65歳以上、4回目の有効性高く 長崎大熱研 BA・5流行期を解析

 長崎大熱帯医学研究所などでつくる疫学研究チームは21日、新型コロナウイルスのオミクロン株の派生型BA・5に対するワクチンの発症予防効果の解析結果(第7報)を公表。65歳以上では3回目までに比べ、4回目接種の有効性が一定程度高いことが分かった。BA・1、BA・2に比べると、従来のワクチンが効きにくくなっている可能性も明らかになった。
 BA・5への置き換わりが進んだ流行第7波の時期(7月1日~10月31日)に全国10都府県の15医療機関で検査を受けた16歳以上の6919人を解析。現在、3回目以降の接種で多く使われているオミクロン株対応の2価ワクチンの接種者は、ほぼ含まれていない。
 未接種者と比較した発症予防効果は、16~64歳は2回接種後181日以上で20.5%、3回接種の場合は、90日以内で50.9%、91~180日で35.5%、181日以上で35.4%、4回完了後は47.8%。65歳以上は2回完了で38.1%、3回完了で41.2%、4回完了で67%と推定されるという。
 同研究チームは今後、2価ワクチンの有効性についても解析を進める。


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