開幕前公式テストでLMP2車両のパフォーマンスを引き下げへ。LMDhとの適切なギャップを目指す/IMSA

 北米でスポーツカーレースを統括するIMSAは12月22日にテクニカル・ブルテンを発行、このなかで2023年1月のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第1戦デイトナ24時間レース前の公式テスト『ロア・ビフォア・ザ・ロレックス24』における技術構成を発表し、LMP2クラスのパフォーマンスレベルが引き下げられることが明らかとなった。

 2023年のIMSAでは、トップカテゴリーが『GTP』へと生まれ変わり、LMDh車両が新規参戦を開始する。この影響により、2番目のカテゴリーであり、大半がオレカ07・ギブソンのパッケージで争われるLMP2クラスでは、LMDhマシンとの適切なタイプギャップを設けるために性能が落とされることになった形だ。

 1月20〜22日に行われるロア・テストでは、2022年シーズンと比べLMP2車両はパワーが削減され、重量も増加。また、異なる空力構成で走行することになる。

 4.2リッターのギブソン製V8エンジンには35mmのエアリストリクターが設けられ、1速から5速までは8000回転、6速では8500回転にエンジン回転数が制限される。これまでは、全ギヤで8700回転のリミッターによってのみパワーレベルが制限されていた。

 最低重量は940kgから950kgへと10kg増加。また、最低満タン給油時間も34秒から40秒へと延長され、ピットストップ時間が長くなるようにされている。

 また、IMSAはフロントとリヤで2種類の空力構成オプションを詳述している。2022年のデイトナ24時間では、これが1種類の仕様とされていた。

 これらの改変は、10月にミシュラン・レースウェイ・ロード・アトランタ、そして12月にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われたIMSA公認テストで試されたものだ。この2回のテストではLMDh車両に加え、評価プロセスの一環として、IMSAから選ばれたLMP2チームにも規定のテストプランで走る機会が提供されていた。

 ロア・テストにおけるマシンのパフォーマンスレベルがシーズン全体に適用されるのか、あるいはLMP2クラスのレースが行われるコースの大半を占める伝統的なサーキットで調整が行われるのかは不明だ。

 IMSAはまだ、ロア・テストにおけるGTP、GTDプロ、GTDクラスのBoP(性能調整)を発表していない。

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