長崎市新庁舎が完成 1月4日開庁 利便性向上、街並みも一望

長崎市役所の新市庁舎の落成式が23日、同市魚の町の現地であり、関係者が完成を祝った。来年1月4日に開庁式を開き、業務を始める

 長崎市魚の町の市公会堂跡地に整備が進められてきた市新庁舎の落成式が23日、現地で開かれた。来年1月4日に開庁し、29日までに移転作業を完了する予定。
 1959年に桜町に建てられた現庁舎は老朽化が進み、耐震性が不足。各地に部署が分散し、市民が利用しにくく、部署間の連携も取りにくかった。
 新庁舎は地上19階、地下1階、鉄骨・鉄筋コンクリート造り(一部鉄骨鉄筋コンクリート造り)。延べ床面積は約5万1752平方メートル。2019年8月に着工し、11月末に完成。総事業費は新庁舎関係費用のみで約256億円。

子育て関連の部署を集約し、キッズスペースを設けたフロア=長崎市魚の町

 本館や別館など9カ所の部署を集約し、市民の利用が多い窓口を低層階にまとめた。住所などを手書きせずに手続きできるシステムを導入したほか、子育て関連を集約した2階「イーカオプラザ」にはキッズスペースも用意し、利便性を向上させる。19階は展望フロアで街並みを一望できる。
 落成式には関係者ら約90人が出席し、くす玉を割って祝った。田上富久市長は「手続きなどの用事以外でも訪れてもらえる身近な庁舎になった。暮らしやすく魅力あふれる街であり続けられるよう職員一丸となって努力する」とあいさつ。

新市庁舎屋上で、眺望や積もった雪を楽しむ園児ら=長崎市魚の町

 市民内覧会には事前に申し込んだ約700人が参加。2歳の娘と訪れた宮田あずささん(31)は「現庁舎は古くて暗く、駐車場もなくて行きたくなかった。2階は子どもが遊べるスペースや絵本があって使いやすそう」。浜町の冨永緑さん(82)は「素晴らしい建物だけど、少しそびえたっている感じがするかな」と語った。内覧会は24日も開く。


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