<わがまち回顧2022> 対馬支局 日韓「国書」で友好を誓う

日韓の友好を誓い合う「国書」を交換した日韓の団体代表=対馬市交流センター

 「新型コロナ以前を超える交流を」-。対馬市厳原町で10月下旬、江戸時代の外交使節がつないだ縁に理解を深める「朝鮮通信使ゆかりのまち全国交流会」が3年ぶりに開催された。
 2019年の日韓関係の悪化に始まり、翌20年からのコロナ流行で「国境の島らしさ」を感じる交流の場はほぼ、途絶えていた。対馬-釜山間の国際航路も休止し、地域経済にも甚大な影響を与えた。
 29回目となった交流会の対馬大会では、通信使関連資料の「ユネスコ世界の記憶」(世界記憶遺産)登録5周年を記念し、登録に尽力した両国の団体代表が友好を誓う「国書」を交換。以前と変わらない両国の信頼関係が垣間見えた。
 30回目となる節目の次回交流会は来春、韓国・釜山市で開く。国際航路の早期再開にも期待がかかる。対馬は古くより、国際交流で発展してきた。いま一度、原点に返り、新年は草の根交流などでさらに両国関係を盛り上げる一年としたい。
 主なニュースは▽対馬市職員による公金約6千万円の着服が発覚▽県市が整備した対馬博物館が、厳原町で開館▽対馬農業協同組合元幹部による共済金不正流用問題で新たに5億6200万円の不正判明▽観音寺の盗難仏像を巡る韓国での控訴審に寺側が初出廷、早期返還を訴える


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