西武はダイヤ改正でどう変わる? 朝の上り拝島ライナー新設、秩父鉄道直通はさらに縮小

「拝島ライナー」に使用される西武40000系電車

西武鉄道は2023年3月18日にダイヤ改正を実施、より”快適な「通勤」・「お出かけ」”を提案すべく、特急列車および座席指定列車の新設・増発や運転時刻の変更を行います。

特筆すべきは上り「拝島ライナー」の新設。2018年から運行している有料座席指定列車「拝島ライナー」は、これまで西武新宿線・拝島線で平日・土休日の夕夜間に「下り」のみに設定されていました。「都心から座って帰れる」のが魅力の電車ですが、これからは朝の通勤・通学にも使えるようになります。

上り「拝島ライナー」の新設は今年9月時点で発表されていましたが、先日発表されたダイヤ改正概要では主要駅の発車時刻なども判明しています。小平~高田馬場間はノンストップです。

拝島ライナー2号・4号発車時刻(※主な駅のみ)
「拝島ライナー」2号・4号停車駅。各駅の時刻や指定席料金、指定券発売方法などは決定次第発表

新宿線の特急列車関連では、ほかにも平日の朝10時までに西武新宿駅に到着する特急「小江戸」の時刻変更、西武新宿 8:37発の特急本川越行き増発などが主な変更点として挙げられています。また、夕夜間の下り拝島ライナーと小平で接続する列車は、すべて本川越行きに変更となります。

池袋線では平日の朝10時までに池袋に到着する特急「むさし」の時刻変更、特急「ちちぶ12号」増発などが挙がり、朝の通勤時間帯に特急を利用しやすくすることで、快適な出勤をサポートします。

夕夜間は、飯能駅に到着する下り特急列車が全て各停西武秩父行きに接続するようになります。また、夜に特急列車の一部を飯能駅4番ホーム発着に変更し、一般列車と同じホームで乗り換えができるようにします。

土休日の池袋線では朝の池袋発特急列車を便利な時刻に変更し、池袋 8:00発 飯能 8:42着の特急「むさし」63号を増発、「ちちぶ」65号は行先を西武秩父まで延長します。

このほかにも、土休日の「S-TRAIN」1号は運転時刻を元町・中華街 7:46発 西武秩父 10:05着へ変更し、観光に適した時間帯に到着できるようにすることで秩父観光を後押しします。

Fライナーは東急東横線内で同一ホーム乗換が可能に

西武鉄道は相鉄・東急直通線への直通運転を行わいませんが、新線開業にあわせたダイヤの見直しなどを行います。東京メトロ副都心線や東急線に直通する「Fライナー」については、「横浜方面への速達性は維持しつつ、新横浜へ向かう際は東急東横線内で乗り換えが可能」としています。

一般列車はどう変わる 秩父鉄道「直通列車」の動きに注目

特急を除く一般列車のダイヤ改正についても見ていきましょう。

新宿線関係

<平日朝>
・玉川上水駅始発の拝島行きを2本新設
・田無駅始発の準急西武新宿行き2本を新所沢駅始発に延長
・玉川上水駅始発 各停西武新宿行きを1本新設

<平日夕夜間>
・西武新宿駅発の急行または準急列車で運転する新所沢行きの一部を本川越行きに、玉川上水行きは全て拝島行きに変更
・各駅停車の一部列車で運転区間を短縮

<土休日>
・朝の玉川上水駅始発の拝島行きを1本新設
・8両編成で運転する急行・準急列車を一部10両編成に変更

池袋線関係

<平日朝>
・清瀬駅始発の新木場行きを2本取りやめ

<平日夕夜間>
・池袋駅の急行列車の発車ホームをすべて5番ホームに変更

<土休日>
・朝の飯能駅発 秩父鉄道直通長瀞・三峰口行きを2本から1本に変更し、横瀬駅発 秩父鉄道直通長瀞行きを1本運転
・昼の狭山線運転本数を平日と同じ毎時3本に
・夕方の秩父鉄道長瀞・三峰口駅発 飯能行きの運転を取りやめ

山口線

狭山線や多摩湖線のダイヤ改正にあわせて運転時刻を変更し、一部で接続を改善します。

これらの一般列車の動きで気になるのはやはり秩父鉄道との直通列車の削減でしょうか。2021年3月ダイヤ改正の時点で平日の直通運転が取りやめとなっており、今回の改正でも縮小傾向が続く模様です。

なお、今回新設される横瀬駅発 秩父鉄道直通長瀞行きは、横瀬駅を除くと西武線内の駅に停車しない列車となります。

(画像:西武鉄道)

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