半円形の断面が初日の出の形に似ていることなどから、めでたい食材とされ、おせち料理に使われるかまぼこ。正月向けの製造がピークを迎えている福井県福井市高柳1丁目の安田蒲鉾の工場では12月26日、縁起の良い紅白や、金沢の金箔をまぶしたかまぼこが次々と蒸し上がり、ずらりと並んだ。
同社では白身魚のスケトウダラやグチなどの最上級のすり身を混ぜ合わせ、弾力ある食感に仕上げる。12月中旬から正月用の製造が始まり、30日までに社員とアルバイト計60人体制で22万本を作る。
1年前の新型コロナウイルス禍に比べると帰省が増えて需要も高まるとみており、高木淳一専務(69)は「一年の英気を養う家族だんらんの場に、彩りの一品としてかまぼこを置いていただければ」と話していた。