三浦のたくあん、漬け込みピーク 「伝統の味を伝えたい」

急ピッチで進むたくあんの漬け込み作業=三浦市のかねり長谷川農園

 神奈川県三浦市内の農家が、たくあんの漬け込み作業に追われている。寒風にさらした大根を丁寧に漬け込み、昔ながらの素朴な味を求める消費者に届けられる。

 同市南下浦町上宮田の長谷川司さん(58)方(かねり長谷川農園)では、家族やアルバイトがフル回転で作業に励んでいる。三浦海岸の砂浜で10日間ほど乾燥させた大根を洗浄して漬け込み、20キロの重しを載せ2週間貯蔵する。漬け方は30年以上前から変わらない。

 年末の需要が多いため、漬け込みと出荷が重なる12月が作業のピーク。26日もスタッフが分担して、手際よく漬け込みや商品の荷造りをこなしていた。

 昨年の食品衛生法改正で、漬物製造業は専用の製造場所が必要となるなど衛生管理基準が厳しくなった。長谷川さんは「設備投資が大変だが、なんとか伝統の味を次代に継承したい」と力を込めた。

 同農園のたくあんは、4軒の農家で「とらばあちゃんの三浦たくあん」としてブランド化し、県内のスーパーなどで販売している。今季は来年2月までに約5万本を漬け込む。

 問い合わせは、同農園電話080(6867)5029。

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