年末年始の需要増備え、コロナ検査キット在庫確保 福井県内の薬局 薬剤師会HPで取扱店掲載「家庭で備えを」

福井県内の薬局が確保した新型コロナウイルス抗原検査キットの一部。在庫を増やし、年末年始の需要増に備えている=福井県永平寺町の水仙薬局

 帰省や旅行など人の移動が増える年末年始を控え、福井県内の薬局は新型コロナウイルスの抗原検査キットの在庫数を増やし、需要増に備えている。県薬剤師会は、ホームページ(HP)で検査キットを販売している薬局や年末年始の営業時間を掲載。「医療機関の外来に患者が集中しないよう、年末年始の前に各家庭で検査キットを購入し備えてほしい」と呼びかけている。

 市販の検査キットについて、厚生労働省は精度が低い研究用ではなく、国が承認した医療用(体外診断用医薬品)、もしくは一般用(第一類医薬品)を推奨している。県薬剤師会によると、医療用、一般用を取り扱っている薬局は県内227カ所。コロナとインフルエンザの同時検査用は品薄状態だが、コロナ用の検査キットは十分に在庫を確保しているという。

 県薬剤師会が運営する「水仙薬局」(永平寺町)は、千~2千円程度の数種類を計100人分程度確保している。性能に大きな差はないが、高価格帯の検査キットは結果判明までの手順が少なく、高齢者らに薦めているという。

 HPでは、各薬局が取り扱う検査キットの種類、曜日別の営業時間などを掲載。営業時間外でも電話で相談対応している所もある。各薬局の12月28日~来年1月4日の営業時間も紹介している。県薬剤師会の担当者は「在庫状況は日々変わるので、購入の際は事前に薬局に確認してほしい」と話している。

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 厚労省はコロナとインフルエンザの同時流行による医療逼迫を避けるため、発熱などに備えて各家庭で市販の検査キットや解熱鎮痛剤を事前に購入するよう促している。

 福井県と県医師会は、同時流行が発生しても1日最大5千人は医療機関で対面診療できる体制を確保。その上で重症化リスクが低い人に対し、感染状況に応じて検査キットの活用を呼びかけている。県対策チームの担当者は「自己検査で陽性の場合、症状が軽ければ、そのまま市販薬を飲んで自宅療養でも構わない。症状が重い場合や、療養などで迷ったときは県総合相談センターに連絡してほしい」としている。

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