しぶんぎ座流星群 2023年はいつまで見える? 時間帯や見える方角は

しぶんぎ座流星群と放射点(国立天文台HPより引用)

 1年の天体ショーの幕開けを飾る「しぶんぎ座流星群」。8月のペルセウス座流星群、12月のふたご座流星群とともに三大流星群と呼ばれる。観測にオススメの時間帯や方角、観測のコツなどを国立天文台などの情報を基にまとめた。

しぶんぎ座流星群とは

 流星群の名前に使われている「しぶんぎ座」は、現在では存在しない「壁面四分儀(へきめんしぶんぎ)座」という星座に由来する。現在の星座で言うと「うしかい座」と「りゅう座」の境界あたり。

 三大流星群と呼ばれるが、毎年安定して多くの流星が出現するペルセウス座流星群やふたご座流星群と比べると、しぶんぎ座流星群は、活動が活発な期間が短く、年によって出現数が変化しやすいことから、流星が多く見える年は限られる。そのため、どのくらいの数が現れるのか予想するのが難しいという。

⇒ペルセウス座流星群とは

 母天体は諸説あり、まだ確定的ではない。2003年に発見された、小惑星番号196256の小惑星(仮符号2003 EH1)が、近年では有力視されているが、この小惑星がどのように流星の元となるチリ(ダスト)を放出したのかはまだ分かっておらず、ミステリアスな流星群といえそうだ。

⇒ふたご座流星群とは

出現期間

 2023年のしぶんぎ座流星群の出現時期は2022年12月28日から2023年1月12日ごろまで。

見やすい時間帯

 放射点が上ってくる真夜中午前0時ごろからが観察のチャンス。午前6時ごろに空が白み始めるまで、観察することができるが、7日に満月を迎える月の影響を受け、2023年の条件は良くない。

流れ星のピークとオススメ観測時間帯は

 流れ星のピークとされる「極大」は1月4日正午ごろと予想されるが、昼間で星は観察できない。流れ星が見え始めるのは、放射点が昇ってきた後の4日午前1時ごろ。ただし、まだ放射点が低く、満月3日前の月明かりの影響で見える流星の数は多くない。午前4時過ぎに月が沈み、放射点が高くなる午前5時ごろから観察条件が良くなり、最も多く流星を見ることができそう。 

一時間当たりの流星数

 極大期に実際に見える流星の数は、空の暗い場所で1時間あたり約25個と予想される。ただし、街明かりの中や、極大期でない場合は、数分の1以下となる。

見やすい場所や方角は

 流れ星は、放射点を中心に放射状に出現する。放射点付近だけでなく、さまざまな方向に現れるので、なるべく空の広い範囲を見渡すようにしよう。

いつまで

 しぶんぎ座のピークは鋭い(短時間の)ため、流星数が比較的多く観察されるのは、極大の前後数時間のみ。それ以外は数時間に1個、一晩で1個というくらいほとんど見えなくなる。

観察時の注意点

 屋外の暗さに目が慣れるまで、最低でも15分ほどは観察を続けてみて。レジャーシートを敷いて地面に寝転んだり、背もたれが傾けられるイスに座ったりすると、楽な姿勢で観察できる。寒い時期なので、寒さ対策をしっかりして事故に遭わないように十分注意して観察しよう。

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