熱き高校サッカー選手権、その歴史に刻まれた「強豪校のユニフォーム」

28日に開幕を迎え熱戦が続く第101回全国高等学校サッカー選手権大会。

ここでは過去の大会から、その名を聞けば色やデザインが思い浮かぶような伝統校・強豪校のユニフォーム11着をご紹介しよう。

なお、諸般の事情で残念ながら今回ご紹介出来なかったチームも多いことを先に記しておきたい。

東福岡

東福岡高校

掲載ユニ:第94回大会(2015年度)

歴代OB:長友佑都、本山雅志、山下芳輝、千代反田充、荒木遼太郎ほか。

高校サッカー界の“赤いチーム”を代表する九州の名門で「赤い彗星」の異名を持つ東福岡。左胸には高校サッカー界でも主流となっているエンブレムを付けずに、伝統の“HIGASHI”にこだわりを見せる。

流経大柏

流通経済大学付属柏高校

掲載ユニ:第96回大会(2017年度)

歴代OB:田口泰士、大前元紀、林彰洋、小川諒也、中村慶太、青木亮太ほか。

近年の高校サッカー界で最も躍進した赤いチームかもしれない。1985年に創設されたサッカー部の強化に本腰を入れ始めたのは2000年代に入ってからだが、2007年の選手権優勝をはじめこれまでに5つの主要タイトルを獲得。赤と黄が印象的なユニフォームの左胸には、それを示す5つ星を刻む。

市立船橋

船橋市立船橋高校

掲載ユニ:第90回大会(2011年度)

歴代OB:中澤聡太、カレン・ロバート、増嶋竜也、鬼木達、北嶋秀朗、中村充孝ほか。

高校サッカーに数多い“青いチーム”のなかでも強い印象を残したチームの一つ。左胸の誇らしげな「市立船橋」の4文字が語るように公立高校だが、選手権優勝5回、総体優勝9回という私立顔負けの成績を収めている。ちなみに現時点での選手権“最後の公立優勝校”は2011年の市船だ。

仙台育英

仙台育英学園高校

掲載ユニ:第98回大会(2019年度)

歴代OB:中島浩司、熊谷駿、瀬川誠ほか。

優勝こそないが、選手権は2021年大会までで出場36回を数える東北の名門校。ユニフォームの黄色はスクールカラーで“大地”を意味するという。そのユニの左胸には「王冠をかぶった有翼の獅子」をデザインしたエンブレムを付ける。そのライオン、実は学校創設者の愛称だったそうだ。

星稜

星稜高校

掲載ユニ:第91回大会(2012年度)

歴代OB:本田圭佑、豊田陽平、鈴木大輔、橋本晃司ほか。

2014年に悲願の選手権初優勝を成し遂げた北陸の名門で、ユニフォームは黄と緑のいわゆるブラジルカラー。この色は東の名門・帝京高校の代名詞でもあるが、近年は星稜もその印象を強くしている。ちなみに黄色は星稜のスクールカラーだ。

静岡学園

静岡学園高校

掲載ユニ:第98回大会(2019年度)

歴代OB:三浦知良、増田忠俊、小林祐三、狩野健太、大島僚太、旗手怜央ほか。

“静学”の愛称で知られるサッカー王国・静岡の名門校。選手権にはこれまで13回出場し、1995年と2019年に優勝している。緑に黄の帯を合わせる静学カラーが高校サッカーファンにお馴染みのユニフォームだ。これまでに輩出した歴代OBには日本を代表する選手がズラッと並ぶ。

青森山田

青森山田高校

掲載ユニ:第100回大会(2021年度)

歴代OB:柴崎岳、室屋成、櫛引政敏、神谷優太、松木玖生ほか。

選手権出場27回(優勝3回)を誇る東北の名門強豪校。緑は校章に使われている色で、同校の説明によれば三種の神器の一つで緑色の「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」に由来するという。サッカー部公式オンラインショップでレプリカユニフォームを販売するなど、ある意味では高校という枠を超えた取り組みも興味深い。

四中工

四日市中央工業高校

掲載ユニ:第90回大会(2011年度)

歴代OB:小倉隆史、浅野拓磨、坪井慶介、中西永輔、森島司ほか。

四中工(よんちゅうこう)の呼び名も有名な四日市中央。選手権出場34回で優勝1回、準優勝3回という輝かしい記録を持つ三重の名門県立高校だ。準優勝した第90回大会で実現した市立船橋との公立校同士による決勝戦は記憶に新しい。丸型のエンブレムもあるが、左胸は縦に刻んだ「四日市中央工」に強豪としての圧倒的な存在感を覚える。

滝川第二

滝川第二高校

掲載ユニ:第95回大会(2016年度)

歴代OB:岡崎慎司、加地亮、金崎夢生、波戸康広、森島康仁ほか。

通称“滝二”でも知られる兵庫の名門。白のユニフォームに赤と紺のアクセントカラーが印象的だ。時代によっては付かないこともあるが、滝二のユニには大きめ襟がよく似合う。龍を描くエンブレムは「急流の滝を登りきる鯉は、登竜門をくぐり、天まで昇って龍になる」という登竜門の故事が由来のようだ。

富山第一

富山第一高校

掲載ユニ:第98回大会(2019年度)

歴代OB:柳沢敦、中島裕希、西村拓真、大塚翔、高橋駿太ほか。

高校サッカーの世界では通称“富一”(とみいち)でも知られる富山の強豪。旧国立競技場での最後の決勝となった第92回大会で、この紫のチームが悲願の初優勝を成し遂げた。昔のユニフォームは藤色とも言える色合いだったが、近年は青に近い紫を採用。左胸にはモダンなデザインのエンブレムを付ける。

前橋育英

前橋育英高校

掲載ユニ:第95回大会(2016年度)

歴代OB:山口素弘、松田直樹、細貝萌、渡邊凌磨、青木拓矢ほか。

選手権出場24回(優勝1回、準優勝2回)を誇る群馬のタイガー軍団。トレードマークである黄黒ストライプのユニフォームに憧れて入学を決意するサッカー少年も多いという。

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1982年から前橋を率いる山田耕介監督は、1977年にキャプテンとして島原商業高校のインターハイ初優勝に貢献。当時のユニフォームは白黒ストライプだった。その優勝チームの監督だったのは、後に黄青のストライプで有名な国見高校を率いる故・小嶺忠敏氏。前橋の黄黒ストライプは、どことなく母校と恩師のチームの両方をミックスしたようにも感じられる。

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