洛中洛外図屏風の気付き共有を 子ども向けサイトに仲間入り

キヅキランドに追加された動画「洛中洛外図屏風・右隻」への書き込みイメージ(稲盛財団提供)

 動画を見て、気付いたことを書き込もう―。子どもの好奇心をくすぐり、自発的な学びを促すウェブサイト「キヅキランド」の動画に、林原美術館(岡山市北区丸の内)所蔵の国重要文化財「洛中洛外図屏風(びょうぶ)」(右隻)が仲間入りした。

 キヅキランドは、稲盛財団(京都市)が企画開発し、2022年春オープン。船が行き交う港町、目玉焼きを作る様子など、利用者は動画に映し出される何げない日常を観察しながら、不思議に思ったことや発見したことを映像上に書き込む。他の人とそういった“気付き”を共有することで、自分とは異なる視点に触れたり、考察を深めたりできる。これまで14本の動画を公開してきたが、美術品を扱うのは今回が初めて。

 岡山藩主・池田家伝来の「洛中洛外図屏風」は、金雲越しに一望するように、江戸初期の京都の市中を描いた屏風絵で、当時の建物や人々の暮らしぶりなど見どころが多い。キヅキランドでは屏風の超高精細デジタル画像を活用し、細部まで観察できる3分間の動画を制作したという。

 12月上旬に追加し「きよみず!」「日傘 昔からあったんだね」などと早速書き込みが寄せられている。林原美術館は「活気にあふれた人々の日常をのぞきながら、登場人物の表情や装いにも注目して見てほしい」とアドバイスしている。

 キヅキランドは公式サイト(https://kizuki.land/)で「住人登録」すれば誰でも利用できる。

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