狂言めでたく 後楽園「初春祭」 3日は茶会とはやし演奏

後楽園の能舞台で上演された「福の神」の一場面

 岡山市の後楽園で1日、恒例の「初春祭」が始まった。2日は祝賀狂言が能舞台であり、入園者は古典芸能の奥深さに触れた。3日は茶会とはやし演奏がある。

 笠岡市在住の狂言師・田賀屋夙生(はやお)さん主宰の田賀屋狂言会が「福の神」を披露。初詣をする男性2人が「福は内へ」と声をかけると、高らかに笑い声を上げながら福の神が現れ、早起きや夫婦で仲良くすることといった豊かな暮らしをする秘訣(ひけつ)を伝えた。福の神が2人に酒を求める場面では、そのユーモラスな所作が鑑賞した約70人の笑いを誘っていた。

 夫婦で訪れた女性(72)=岡山市南区=は「新年らしい演目で、くすくすと笑えた。衣装も華々しく、おめでたい気分」と話した。

 狂言鑑賞者には、園内で収穫されたもち米で作った紅白餅が配られた。期間中に予定されていたタンチョウの放鳥は、国内各地で相次いで発生している鳥インフルエンザを受けて中止した。

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