全国高校ラグビー大会 “逆転の長崎北陽台”2大会連続8強 きょう天理と対戦

【3回戦、尾道―長崎北陽台】後半14分、長崎北陽台のプロップ橋本が密集から持ち出して逆転トライを決める=花園ラグビー場

 第102回全国高校ラグビー大会第4日は1日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で3回戦8試合が行われ、長崎県代表でBシードの長崎北陽台は尾道(広島)に17-15で競り勝ち、2大会連続7度目の8強入りを果たした。
 長崎北陽台は前半10分までに10点を先行されたが、28分に相手ゴール前ラインアウトからFWがモールを押し込んで左中間にトライ(ゴール)。7-10として前半を折り返すと、後半7分に再びモールでトライを奪い、12-10と逆転した。11分にトライを返されて12-15とされたが、14分にプロップ橋本のトライで再び逆転に成功。最後は尾道のPGがゴールをそれて、長崎北陽台が2点差で逃げ切った。
 九州勢はAシードの東福岡が秋田工に52-3で快勝。Bシードの佐賀工も同じくBシードの中部大春日丘(愛知)を9-8で退けた。この結果、準々決勝に進んだのは近畿勢5、九州勢3校。東日本勢が史上初めて8強入りできなかった。
 第5日は3日、同ラグビー場で準々決勝4試合を実施。長崎北陽台は第1グラウンドの第3試合(13時20分)でBシードの天理(奈良)と対戦する。

◎モールに活路 10点差はね返す

 トーナメントを戦う上で、この代名詞は喜べないかもしれない。だが、県大会の決勝から3試合連続で前半のビハインドをひっくり返したチームは、花園でこう称されるようになった。「逆転の北陽台」。長崎北陽台はこの日も10点差をはね返して、2大会連続で8強に名乗りを上げた。
 「これまで同様」(品川監督)の展開になった。ノーシードから勝ち上がってきた尾道(広島)に、前半6、10分にトライを奪われた。品川監督が常々口にしている「試合の入りが大事」という指示を、また、実践できなかった。
 だが、選手たちはここから本領を発揮した。持ち味のスピード感あふれる攻撃ではなく、FWのモールを生かして着実に前進。前半28分、後半6分にモールでトライを奪って逆転すると、再び3点リードされた後半14分もモールでゴール前まで迫り、最後はプロップ橋本がインゴールに飛び込んだ。主将のロック白丸は「1年間、きつい練習をしてきたので、FWの強さには自信を持っていた」と胸を張った。
 3試合連続逆転勝ちでつかんだ花園8強。品川監督は「(逆転勝ちは)決して狙ってやっているわけでは…」と苦笑いした上で、こう続けた。「苦しい状況でも、やれるという意識があるのかな。そこは評価したい」
 ただ、この代名詞が今後も通用するほど、花園は甘くない。副主将のCTB中島が「さすがに次はこういう展開では勝てない」と言う通りに、選手たちも理解している。「試合の入りが大事」。今度こそ指揮官の言葉を実践して、昨季を超える「花園4強」を取りにいく。


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