全国高校ラグビー 長崎北陽台、天理に5-8で敗れる 目標の4強に届かず

【準々決勝、天理-長崎北陽台】前半13分、果敢に前に出る長崎北陽台のロック白丸=花園ラグビー場

 第102回全国高校ラグビー大会第5日は3日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で準々決勝4試合が行われ、長崎県代表でBシードの長崎北陽台は同じくBシードの天理(奈良)に5-8で敗れた。天理のほか、Aシードの東福岡と報徳学園(兵庫)、京都成章が準決勝に進んだ。
 長崎北陽台は前半14分、相手ゴール前でFWが連続攻撃を仕掛けてから右へ展開。最後はSO今崎の飛ばしパスを受けたCTB新垣が右中間に先制トライを決めた。その後は天理が26分にPG、後半12分にトライを決めて逆転に成功。長崎北陽台も終盤に相手ゴール前でマイボールラインアウトという好機を得たが、ミスが出て得点につながらなかった。
 第6日は5日、同ラグビー場で天理-報徳学園、京都成章-東福岡の準決勝2試合を実施する。

◎最後まで ひた向きに前へ 体を張り 厳しく激しく

 攻守両面でひた向きに前へ出た。培ってきた体を張ったプレーを何度も披露した。結果は5-8で敗れたが、試合後、長崎北陽台の品川監督が最初に口にしたのは称賛だった。「最後までよく戦った。北陽台らしい粘りのディフェンスができた。厳しさ、激しさという年間を通してやってきたことを花園で出せた」
 序盤から、堅守速攻を持ち味とするチーム同士による激しいぶつかり合いが続いた。互いにわずかな隙を見つけながら、果敢にターンオーバー。攻守が目まぐるしく入れ替わった。その中で長崎北陽台は前半14分、FWの連続攻撃から大きく展開して、最後は1年生のCTB新垣が右中間に先制トライ。今大会、初めて先にリードを奪った。
 逆転された後も前に出続けた。止められても懸命にボールをつなぎ、走られたら誰かが止めた。主将のロック白丸を中心に、一人一人が体を張り続けた。
 そして迎えた後半27分。相手ゴール前で得たマイボールラインアウト。得意のモールで逆転トライというシナリオはできていたが、ここをミスで逃した。品川監督は「やってきたことに何かが足りなかったのかな。我慢比べで負けた」と潔く敗戦を認めた。
 目標の4強には届かなかった。だが「昨季より力はない」(品川監督)という評価の中でスタートした今季のチームは、コロナ感染による全国選抜大会出場辞退などを乗り越え、昨季と同じ8強という結果を残した。「3年間、きつい練習をしてきた。この仲間とやれて最高だった」(白丸)。「成長」という言葉が最も似合う好チームだった。


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