矢を「ヤー」と放つ 奥日光で一年の無事を願い【動画】

勇ましい掛け声とともに矢を放つ弓道家=4日午前10時45分、日光市中宮祠

 日光市中宮祠の日光二荒山神社中宮祠で4日、新春の伝統行事「武射祭(むしゃさい)」が行われ、一年の無事を祈り神職や弓道家が力強く矢を放った。

 武射祭は、男体山の神と群馬・赤城山の神が日光の山々を巡って争い、弓の名手の加勢を得た男体山の神が勝利したという神戦譚(たん)に由来する。

 この日は地元関係者ら50人が参列し、社殿で神事に臨んだ。続いて小雪が舞う中、境内の上神橋(かみしんきょう)へ移動し、中麿輝美(なかまろてるみ)宮司が「ヤー」と勇ましい掛け声とともに赤城山方面へ矢を放った。神職や県内の弓道家も次々と弓を引いた。

 放たれた矢は縁起が良いとされ、多くの見物客が競うように矢を探していた。矢を拾った鹿沼市坂田山3丁目、会社員福田和樹(ふくだかずき)さん(34)は「毎年来ているので、今年も矢を拾えてうれしい。健康に過ごせるように願って、神棚に飾りたい」と話した。

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