流血の夫婦と娘死亡…襲った男の服に血付くも「覚えない」 男宅にPC、携帯・固定電話なく外部と連絡は

飯能3人殺害、容疑者「覚えがない」

 昨年12月、埼玉県飯能市美杉台の住宅で夫婦と長女の3人が殺害された事件で、夫への殺人容疑で送検された近所に住む無職の男(40)が、犯行について「身に覚えがない」などと容疑を否認していることが4日、県警への取材で分かった。また、県警は自宅から押収した衣類に付着していた血液が被害に遭った親子3人のDNA型と一致していたを明らかにした。

 事件は昨年12月25日午前7時過ぎ、住民で米国籍、無職の男性(69)と無職の妻(68)、会社員の長女(32)=東京都渋谷区神宮前1丁目=が鈍器のような物で頭や首などを複数回殴られ、殺害された。

 県警は目撃証言や防犯カメラ映像などから男を特定し、逮捕した。男は逮捕当初「言いたくありません」と供述を拒否。その後の取り調べで「私はやっていません。身に覚えのない話です」と容疑を否認しているという。自身の生い立ちや生活実態については供述する一方で、事件への関与について認める供述はしていない。

 県警は事件後、血痕の付いた衣類のほか、鈍器や刃物などを押収。複数の衣類を鑑定した結果、衣類の血痕から検出されたDNA型が親子3人のものと一致したという。

 男の自宅からは、携帯電話やパソコンなどのデジタル機器は押収されておらず、固定電話も設置されていなかったという。外部との連絡には生活圏にある公衆電話を使っていたとみられる。

 県警は詳しい生活状況を調べるとともに、動機についても引き続き捜査し、事件の全容解明を進める。

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