葬列も幻想的 バリ島の雰囲気描く 井手康人展 15日まで瀬戸内で

日本美術院同人推挙のきっかけになった「百花為誰開」(左)などが並ぶ会場

 日本美術院同人の日本画家井手康人さん(60)=瀬戸内市=の特別展「神々の視座―井手康人―」(同市立美術館、山陽新聞社主催)の会期は15日まで。会場の同市立美術館(同市牛窓町牛窓)には5日も多くのファンが足を運んだ。

 井手さんが長年描き続けている、インドネシア・バリ島の1人の踊り子をモチーフとした代表作など約50点を展観している。院展で一般応募の最高賞・日本美術院賞(大観賞)を受賞し、同人推挙のきっかけになった「百花為誰開(ひゃっかたがためにひらく)」は、人生の全うを祝うバリの葬列を幻想的に描いている。

 院展で内閣総理大臣賞に輝いた「神々の視座」といった大作も来場者を魅了。バリ島から取り寄せた神輿(みこし)やカヌー、チョウの標本も展示されている。

 岡山市南区の女性(65)は「色合いがすてきで何とも言えない不思議な気持ち。バリ島の雰囲気がひしひしと伝わってくる」と話していた。

 10日は休館。開館時間は午前9時~午後5時。一般900円、65歳以上・20人以上の団体800円。中学生以下無料。

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