高金融リテラシー層に学ぶ、子どもの「お金のリテラシー」をあげるために家庭ですべき4つのこと

経済的な先行き不安が高まるなか、子どもに「金融リテラシー」を身につけさせたい、と思っているご家庭も多いでしょう。

今回は、「金融リテラシーが高い人」の特徴を参考にしながら、子どもへどのように家庭で教えていったらよいのか、4つのポイントをお伝えします。


■「金融リテラシーが高い人」を参考にしよう

(本文 400~600程度…400程度×5本…2000字くらい)
運動をするときスポーツが得意な人からコツを学ぶように、金融リテラシーを高めたいと思ったら、「金融リテラシーが高い人」の特性を実践してみることも一つの案です。

そこで今回は、金融広報中央委員会「金融リテラシー調査2022年」の結果から、「金融リテラシーが特に低い人(ここでは「低リテラシー層」と呼びます」)と「金融リテラシーが特に高い人」(ここでは「高リテラシー層」と呼びます)の違いに注目して、子どもに伝えるべきポイントをお伝えしていきます。

(注釈)※同調査では、金融知識に関する正誤問題への回答に対して点数化を行っており、正答率20%以下が「低リテラシー層」、正答率84%以上を「高リテラシー層」と便宜上定義しており、本記事でもそのデータからピックアップします。

1.「家庭」で金融教育を行う

教育というと、家庭というよりも、学校などで行われるものだと思われがちですが、金融リテラシーに関しては、「学校」ではなく、「家庭」で金融教育を受けたかどうかで、リテラシーの高低の差が生まれているようです。

以下をご覧ください。

●学校等で金融教育を受けたと認識している人の割合
低リテラシー層…2.8%
高リテラシー層…10.6%

高リテラシー層であっても、学校等で学んだと感じている人はたった1割ほどで、あまり大きな影響がないといえそうです。では、家庭ではどうでしょうか。

●家庭で金融教育を受けたと認識している人の割合
低リテラシー層…7.9%
高リテラシー層…24.2%

家庭で金融教育を受けたと感じている人は、低リテラシー層は1割未満ですが、高リテラシー層では4人に1人と高い割合です。

金融教育といってもさまざまで、お小遣い帳をつけるように促したり、家庭での費用について話し合ったりと、何気ない会話だったとしても、子どもは「金融教育を受けた」と感じるはずです。今晩の食卓で、お金の話題を出してみてはいかがでしょうか。

2.即決せず「ネット」の情報でもよいので一旦確認させる

さまざまな金融商品から自分に合うものを選ぼうと思ったときに、即決してしまうか、一旦ネットなどで確認するかどうかでも大きな差が出ています。

●金融商品選択時にウェブサイトをみている人の割合
低リテラシー層…5.2%
高リテラシー層…54.3%

低リテラシー層はわずか5%ですが、高リテラシー層は半数を超えています。誰かに「これいいよ」とおすすめされるほか、SNSなどで発信されていたのを見た場合、即決してしまうことは危険です。

金融機関のHPを見るなど、一旦落ち着いて元情報を確認することで失敗を防げますし、金融知識を高めていくことにもつながります。

子どもに何か金融商品について相談をされた際は、「まずはその会社のHPを見てみようか」と声をかけてあげるのもよいですね。

3.借りたお金は「期日までに」返させる

子どもが小さいうちでも、親子でちょっとしたお金の貸し借りがあるものです。例えば、家族で出かけた先で、子どもが欲しいものを見つけ「お小遣いを忘れたから、ちょっと貸して」といって、親御さんからお金を借りるケースなどが考えられます。

そんなとき、うやむやにしたりせずに、「明日中に帰してね」などといった具合に期日を決め、それを守らせることも大切でしょう。

以下のデータをご覧ください。

●期日に遅れずに支払いをする人の割合
低リテラシー層…61.5%
高リテラシー層…95.8%

「期日までに支払いをする」という人は、高リテラシー層は100%にかなり近い割合です。「約束を守る」という誠実な姿勢を続けていくことも大切なポイントですね。

4.「緊急時」のことを考え、備えさせる

子どもは、どうしても目の前のことに一生懸命になりがちです。大人のように「いざというとき」というシーンを考えられるようになるのは、精神的にある程度成熟してきたころかもしれません。

とはいえ、緊急時などに備えておくことは、万一のことがあったときに、つまずいてしまうことを防げます。自分を守るためにも必要な概念で、その思考はあらゆる場面で前に進む力をくれるはずです。

以下のデータをご覧ください。

●緊急時に備えた資金を確保している人の割合
低リテラシー層…24.0%
高リテラシー層…83.2%

低リテラシー層は、緊急時に備えた資金を確保しているのが4人に1人ですが、高リテラシー層は、8割以上もいます。「いざ」ということを考えたうえで、自分でしっかり備えておくこと。それにより、人生の荒波があってもしっかり乗り越えていくことができますし、不安を抱えることも防げます。

子どもがある程度大きくなってきたら、「万一」という概念について伝えつつ、それに備えることの大切さを伝えていってあげたいですね。

今回は、子どもに「金融リテラシー」を身につけさせるときのポイントを4つお伝えしました。いずれも決して難しいことではなく、日々の生活の中で、親御さんからの声かけによって身につけていけることばかり。先行き不安な時代だからこそ、金融リテラシーの有無が今後の人生の一つの支えになるはずです。ぜひご家庭で実践してみてください。

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