宇軍のジレンマ「270万円のドローンを6900万円のミサイルで撃墜...」

ウクライナ軍はエネルギー施設などインフラを狙ったロシアの無人機(ドローン)攻撃をかなり成功裏に防いでいると伝えられるが、ロシア軍側の比較的安価なドローンを撃墜するのに用いられる防空ミサイルなどのコストが高すぎて苦労しているようだ。

(参考記事:韓国紙「露軍ドローンから日本製部品が多数見つかるが…」

3日(現地時間)、ニューヨークタイムズ(NYT)によると、先月31日から良く1日までの間、ウクライナ軍はロシアが自国に発射したドローン80余機をすべて撃墜したことが分かった。 ウクライナ空軍スポークスマンは「このような結果は、以前は決して達成できなかった」と強調した。

(NYT記事URL:https://www.nytimes.com/live/2023/01/03/world/russia-ukraine-news)

しかし、このような成果にもウクライナ側にはコスト面での悩みがあるようだ。ウクライナの戦争遂行を支援する現地コンサルティング会社モルパのアルテム・スターロシク代表は「無人機を発射する費用よりミサイルで撃墜するのに最大7倍以上の費用がかかる」と推算した。

一部のアナリストは、このようなコストの不均衡こそクレムリン(ロシア首脳部)が期待する「方程式」であると指摘する。

(参考記事:「宇攻撃した自爆ドローン、韓国製半導体も見つかる」宇紙など

昨年10月からロシアがウクライナ空襲に多く用いているイラン製ドローン「シャヘド-136」は比較的シンプルな装置を用い価格が安い。イラン製自爆ドローンは生産コストが2万ドル(約267万円)程度とされる。一方、これを迎撃するための地対空ミサイルは、ソ連製S-300ミサイルの場合14万ドル(約1871万円)もする。実に7倍の価格差だ。さらに米国産先端地対空ミサイル「ナサムス」(NASAMS)は50万ドル(約6685万円)と、シャヘド136に比べ25倍高い。

ウクライナ軍はこれまで、対空砲と小型武器を使ってロシアドローンをある程度成功裏に撃墜することができたが、最近になってロシア軍がウクライナのレーダー網を避けようと夜間低空飛行でドローンを発射しており、迎撃が一層難しくなっているようだ。 このため現在、ウクライナは主に戦闘機と地上から発射するミサイルでロシアドローンに対応していると伝えられる。

一方で、スターロシク代表は「とにかくドローンを撃墜することより、破壊された発電所を修理するよりもはるかにコストがかかる」と述べている。

ロシアは昨年9月以降、これまでウクライナに約600機のドローンを発射したものと推算されている。ウクライナが最近、ロシア内陸軍事基地を打撃する戦術を選んだのも、ドローンによる被害を減らす試みであるとの見方も出ている。

※写真:Mil.gov.ua

(参考記事:韓国紙「日本がロシア産原油を輸入へ」「今年春以降で初めて」
(参考記事:韓国がチュニジア経由でロシア産石油を迂回輸入? ロイター報じる
(参考記事:「韓国侵犯の北朝鮮ドローン、VXガス積めば1億5千万人殺せてた」日本人専門家

(参考記事:宇安保関係者「露軍に自爆ドローンの操縦法教えたイラン人教官をクリミアで殺害した」
(参考記事:海外紙「戦車は絶望的に時代遅れの兵器になった」「価格100分の1のウクラ軍携行弾やドローンの餌食に」
(参考記事:「露軍に捕まれば手榴弾で自爆」 宇女性スナイパーが活躍

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