人気で長蛇の列、長瀞の名物“天然”かき氷 じつは今、山の池で氷切り出し中 ふわっとした食感に期待

天然氷を積み込む阿左美冷蔵の関係者=5日午前10時ごろ、長瀞町の製氷池

 埼玉県長瀞町本野上の阿左美冷蔵(皆野町)の製氷池で5日、名物のかき氷に使う「天然氷」の切り出しが始まった。年末年始の早朝は氷点下6度ほどにまで冷え込み、氷の厚さは約13センチまで成長、作業は順調に進んでいる。

 阿左美冷蔵の天然氷は、山あいの製氷池2面に清流を注ぎ、自然の寒さで約2週間かけて凍らせる。関係者たちは、銀色に輝く天然氷をエンジンカッターなどで縦50センチ、横70センチの大きさに切り分け、氷ばさみや手かぎを使って次々とトラックへ積み込んだ。

 作業は今月末ごろまで続き、計約40トンを製造。ふわっとした食感が特徴のかき氷は、年間を通じて提供し、夏季は長蛇の列が絶えない。生産者の阿左美幸成さん(48)は「天然氷の製造は国内では希少になってきている。今後も寒さが続く限り、しっかりと伝統を守っていきたい」と話した。

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