【高野涼子さん(補聴器専門店「ニイガタエイド」 取締役)】お客様一人ひとりの“聞こえ”を大切に

高野涼子さん(補聴器専門店「ニイガタエイド」 取締役)

プロフィール
高野 涼子(たかの りょうこ):新潟市出身。大学卒業後に上京し、都内の補聴器メーカーに就職。補聴器を基礎から7年間学び新潟に戻ると、父親の経営する「ニイガタエイド」に入社。現在は取締役を務め、お客様一人ひとりと真摯に向き合う接客で信頼と実績を積み重ね、補聴器の普及に尽力している。


一人ひとりの聞こえとじっくり向き合う

–補聴器業界に興味を持ったきっかけを教えてください!

高野さん:大学時代に、父が経営する「ニイガタエイド」を手伝ったことがきっかけです。もともと人と接することは好きでしたが、さらに人の為になる仕事であると実感し、この業界に入りたいと思うようになりました。

–最初の就職先は『ニイガタエイド』ではなかったのですね。

高野さん:まずは補聴器の基礎から学びたいと考え、東京の補聴器メーカーに就職し、7年間務めました。

–他社を経験したからこそ感じる『ニイガタエイド』の魅力はありますか?

高野さん:アットホームな雰囲気が他と違うと思います。補聴器は、お客様一人ひとりに合わせて選ぶ必要があり、聞こえはもちろん、生活環境などによってもその選択が大きく変わるので、しっかりとお客様と向き合う必要があります。その為にも、まずはお客様を知ることから始まるので、話しやすく相談しやすい雰囲気づくりを心掛けています。

補聴器

–補聴器を販売するだけではないのですね!

高野さん:補聴器は音の合わせ方や使い方次第で、良くも悪くもなる器械なんです。「ただモノを売る」という感覚ではなく、そのお客様に合った補聴器を「一緒に作り上げていく」といった感覚ですね。補聴器はインターネットでも購入できる時代ですが、その人に合ったその人だけの「補聴器」を正しい方法でお使いいただくことで、暮らしも豊かになると思います。その為にも、当社では全店に認定補聴器技能者資格(※)を持つスタッフが常駐しています。

※認定補聴器技能者…公益財団法人テクノエイド協会が厳しい条件のもと、補聴器販売従事者に対して、基準以上の知識や技能を持つことを認定して付与する資格。補聴器を作る上で、有資格者にしか出来ない作業も多くある。

販売した後からお付き合いが始まる

–補聴器はどのようにして作られるのですか?

高野さん:まず耳鼻科を受診してもらい耳自体に異常がないか、そして補聴器を装着しても問題ないかを確認してからカウンセリングに入ります。ヒアリングや測定結果をもとに、補聴器の音を設定し、実際の生活の中でお使いいただくところから始めます。補聴器は、つけてすぐに聞きたい音だけが聞こえるわけではないので、音に慣れるまで時間がかかります。

–お客様が実際に快適に使えるようになるまでに多くのステップが必要なのですね!

高野さん:聞こえにくくなったお耳に、再び色々な音が入ってくるので、初めは騒がしく感じて当然です。段階的に音を調整していく必要があります。また、聴力や生活スタイルは日々変化するので、その時々に合わせて調整していくことも補聴器を用いた“良い聞こえ”の為には大切です。

店内

–多くの過程があるからこそ、お客様との距離も近くなっていきますね!

高野さん:補聴器がお客様の手に渡った所からがお付き合いのスタートだと思っています。お客様の生活の中でどの様に活きているかを見続けていく責任がありますからね。最初は違和感をお持ちだった方も、数年後には生活に無くてはならない物になっている姿をたくさん目の当たりにしています。それが、この仕事にやりがいを感じる瞬間でもありますね。

–仕事で大切にされていることは何ですか?

高野さん:お客様の話を引き出すことです。また、補聴器をつける事によってどの程度まで聞こえるようになるのかという目安についても、購入前にしっかりお伝えして期待値を上げ過ぎないように説明することも重要です。お客様がイメージするような聞こえと、器械で出せる限界との兼ね合いが難しいので、お客様が求める聞こえを再現できず、調整が上手くいかないこともありますが「ここで補聴器を買って良かった!」と言ってくださるお客様のおかげで、またがんばろうと思えます!

身近ではないからこそ周囲の理解が必要

–どうすれば眼鏡の様に、補聴器も気軽に生活の中に取り入れられるようになると思いますか?

高野さん:視力と同じように、聴力も年齢と共に低下していくので、生活する上で補正具は必要なはずなんですよね。ファッションアイテムとして眼鏡を取り入れるように、ファッショナブルに装着できるようになると良いと思います。

–デザイン性の高い補聴器もあるのですか?

高野さん:最近では、デザイン性の高い補聴器も多く発売されています。また、ワイヤレスイヤホンと同様の機能を併せ持つ補聴器もあるので、そういった商品を知ってもらい、ぜひ気軽に生活に取り入れてほしいですね。

–見た目も性能もどんどん改善されているのですね!

高野さん:ハードルが高いと思われがちな補聴器ですが、聴力が補われることによって認知症の予防に役立つという効果もあるので、一般的な補正具としてもっと生活に浸透してほしいですね。その為には、ご家族や周囲の方々の協力や知識も必要です。

–周囲の協力と言いますと具体的にはどんなことですか?

高野さん:補聴器をつけても、やはり周囲の人たちと全く同じように聞こえる様になるのは難しいんですよ。例えば、脚が不自由な人が杖をついて歩いている状況をイメージしてください。自分の脚で歩くことはできるけれど、周りの人のように全速力で走るのは難しいですよね?あくまでも“補う器械”であることを周囲の人が理解する必要があるんです。

–確かに、補聴器をつけていたら普通に聞こえると思っていました…

高野さん:「補聴器をつけているのになぜ聞こえないのか?」ではなく、「つけている人だからこそ」少しゆっくり話そうとか大きめの声で話そうとか、配慮できるような理解が広まって欲しいですね。

補聴器で生活を豊かに

–最後に今後の目標を教えてください!

高野さん:まずは補聴器がどんなものかを知っていただくことが重要だと思うので、お話だけでも聞きに来てもらえるようなお店や雰囲気作りをしていきたいです。眼鏡屋さんのようにふらりと入る雰囲気でもないので、入りにくいと思われがちですが、ぜひ気軽にいらしてください!電話でもホームページからでも来店予約していただけます!

–もっと多くの方に気軽に相談に来てもらえると嬉しいですね!

高野さん:補聴器といえば『ニイガタエイド』と言っていただけるような、信頼ある企業になりたいです。たくさんある補聴器店の中でも、まず一番に『ニイガタエイド』を選んでいただけるようこれからもがんばります!

店舗入口

ニイガタエイド青山店
住所:新潟市西区青山2-5-60 KSビル1F
電話:025-234-6633
営業時間:平日9:00~17:00 / 土曜9:00~16:00
定休日:日曜・祝日

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