アバターロボットが接客、売れ筋商品紹介 福井県で大学と文具店が実証実験

子どもたちと会話するアバターロボット=1月8日、福井県坂井市のホリタ文具春江店

 福井県の福井工業大学AI&IoTセンターは1月8日、福井県坂井市のホリタ文具春江店でアバターロボットによる接客の実証実験を行った。愛らしい店のキャラクターが画面に表示されたロボットが店内を巡回し、親子連れらに売れ筋の商品を紹介した。

 同センターは文具店経営のホリタ(本社福井市)と連携し、2020年からデータサイエンスを活用した店舗運営、サービス向上の共同研究を進めている。

⇒ロボット動かしAI学ぶ高校「情報」の新教材 福井県のアフレルが2種類を全国発売

 同社が目指す「家族がワクワクできる空間」に向けたロボット接客の実験は21年12月に続き2回目。前回はロボットの画面に遠隔操作する学生の顔を映し出したところ、一部の子どもが恥ずかしがったため今回はキャラクターを通して学生が会話するようにした。

 ロボットはタブレット型の端末とタイヤをポールでつないだ形状。遠隔操作で店内を巡回させて、子どもたちを見つけると「こんにちは」「きょうは何を買いに来たの」と話しかけた。

 店舗の一角には、数年分のPOSデータ(売り上げ情報)を基に分析した子どもが欲しがる消しゴムなどの商品と、親がついでに買うことが多いネームペンなどの商品を取りそろえた実験用の棚を設置。ロボットの接客を通じて、親子連れを誘導できるか試みた。

 同センター長の芥子(けし)育雄教授は「子どもからロボットに近づいてきてくれるようになったのは収穫。将来的には遠隔操作ではなく、人工知能(AI)が接客できるように改良したい」と話していた。

© 株式会社福井新聞社