沖縄県内の110番1.5万件増、2022年は14万6000件 行動制限の緩和が要因か

 1月10日は「110番の日」。県警が2022年に受理した110番通報は14万5965件(暫定値)、前年比で1万5630件増加した。このうち緊急の対応を要しない通報は2万2929件(前年比2751件増)に上り、全体の約16%を占める。22年は新型コロナウイルス感染症の影響による、行動制限などが緩和されたことで社会活動が活発になったことなどが増加の要因とみられる。 22年10月からは110番映像通信システムの試験運用が全国で始まり、事件事故の現場に居合わせた人たちなどのスマートフォンから映像や画像提供は6件あった。

 県警通信指令課によると、22年の通報件数14万5965件のうち、事故などの「交通関係」が4万766件で最多。次いで不審者情報などの「各種情報」が3万2905件。迷子などの「保護・救護」が1万8888件、犯罪被害関連の通報が6177件、「けんか口論」が5513件となった。

 110番通報は18年が17万2020件で過去5年で最多。19年は15万9397件と減少し、新型コロナ感染症拡大に伴う外出自粛要請などがあった20年は13万505件、21年は13万335件となりコロナ禍以降、初めて増加に転じた。

 緊急の対応を要しない通報2万2929件のうち、要望や苦情相談は1万8251件に及ぶ。また、統計には含まれない「いたずら電話」などは4万2498件に上る。

 通信指令課の屋宜隆次席は「不要不急の電話が多ければ、緊急時の対応が遅れる可能性がある。適切な110番通報を心掛けてほしい」と呼びかけた。県警は急を要しない事案や相談などは警察相談専用電話「#9110」へ問い合わせてほしいとしている。

 一方、全国の警察が2022年1~11月に受理した110番は、前年同期に比べ65万6189件(8.4%)増の850万2927件だったことが10日、警察庁のまとめで分かった。都道府県別の受理件数は警視庁が最多で大阪が2位、沖縄は14位だった。(友寄開)

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