被爆者の声に耳傾けて 長崎で「高校生平和集会」 運動の在り方など議論

高校生らを前に被爆体験などを語る川野さん(右)=長崎市大黒町、長崎自治労会館

 核廃絶運動に取り組む高校生や被爆者らが語り合う「2023高校生平和集会;冬」が8日、長崎市内であり、運動の在り方などについて意見を交わした。
 「高校生平和大使&高校生1万人署名活動実行委」が、昨年の冬と夏に続いて開催。約20人が参加した。
 被爆者の川野浩一さん(83)は、現在の北朝鮮で生まれ5歳の時に長崎で被爆した生い立ちを紹介しながら、「目をつぶって、今ウクライナに住んでいると想像してみよう。いつミサイルが飛んでくるかわからない。家族を失った人もいる。78年前の日本もそうだった。今の平和を当たり前のことだと思わないでほしい」と訴えた。
 第12代高校生平和大使で現在は長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)特任研究員の林田光弘さん(30)は「(被爆者の言葉の中で)どこか引っかかる、忘れられないひと言があると思う。それは大切にした方がいい。大人になって心に刺さることがある」と高校生にアドバイス。「震災とは異なり、戦争は防げる。そのために過去を学ぶ。今の社会は私たちが選んだ結果だという当事者意識を持つべき」と述べた。
 現在の第25代高校生平和大使30人は、昨年12月17~21日に東京行動を実施。メキシコやジャマイカなど6カ国の大使館や外務省を訪問し意見交換した。この活動について報告した安野美乃里さん(16)は「対話はすごく大切だと感じた。日頃の活動で批判的意見をもらっても、反論するより一緒に考えていくことを重視したいと思った」と語った。


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