養子の息子(当時5歳)をハンガーで叩く、やけどさせるなどの虐待 父親(23)に執行猶予付き有罪判決 広島地裁

養子の息子(当時5歳)に暴行を加え、体に打撲ややけどを負わせたとされる父親(23)の裁判で、広島地裁は父親に執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。

判決によりますと父親(23)は去年5月31日ごろから翌日までの間、自宅で養子の息子(当時5歳)の背中を針金ハンガーで複数回たたいたり尻や腕に暴行を加えたりして、体に全治2週間の打撲や擦り傷、やけどを負わせました。

これまでの裁判では、息子(当時5歳)の腕のやけどが父親の行為によるものかが争われていました。

父親は「やけどはさせるような行為は一切していない。保育園で負ったものか、飼っていたトカゲの飼育ケースに付けていた保温ライトを息子が自分で触ってしまった可能性しか考えられない」と主張していました。

10日の判決で広島地裁の日野浩一郎裁判官は、やけどを負ったとされる時間帯や母親の証言、こども園でやけどが発覚した時の状況などから「腕のやけどについても父親が、高温で幅と長さがある程度ある物体を、息子の左上腕部にあてるといった何らかの方法で生じさせたと推認できる」と認定。

「暴行の程度が多数回に及ぶ軽くないものであり、強い非難に値する」として懲役1年6か月、執行猶予3年の判決を言い渡しました。

裁判の中で父親は、今後息子とは接触しないことを誓約しました。

広島地裁は、被害者の子ども(当時5歳)の特定を防ぐためとして父親の名前を明かさず、公判を匿名で進めていました。

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