佐野でハクチョウから鳥インフル 県内今季2例目

栃木県庁

 県は10日、佐野市の水田でハクチョウ1羽の死骸が見つかり、遺伝子検査で鳥インフルエンザのウイルスが検出されたと発表した。県内で野鳥の感染が確認されるのは昨年12月、大田原市でオオハクチョウ1羽の死骸から毒性の強い高病原性のウイルスが検出されて以来、今季2例目。今後、高病原性かどうかを国立環境研究所で調べる。

 県によると、佐野市のハクチョウが回収されたのは今月3日。県の簡易検査では陰性だったが、同研究所の遺伝子検査で10日、ウイルスが確認された。

 環境省は半径10キロ圏内を野鳥監視重点区域に指定した。県は半径3キロ圏内で家禽(かきん)100羽以上を飼養する農場2戸のうち、1戸に立ち入り検査を行い、異常がないことを確認した。もう1戸は11日に調査するが、電話による聞き取りでは異常はなかったという。

 今季は全国的に感染が急拡大し、鶏などの殺処分対象数が初めて1千万羽を突破。本県を囲む全ての隣接県でも養鶏場で感染が確認され、殺処分が行われる事態となっていることから、県は警戒を強めている。

 県自然環境課は野鳥が密になる状況を避けるために餌付けの自粛を呼びかけており、「衰弱した野鳥や死骸を見つけても素手で触らずに、環境森林事務所の相談窓口に連絡してほしい」としている。

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