ユダヤ人絶滅政策決定の会議がスタート 冗談に出席者からは笑いも 「ヒトラーのための虐殺会議」本編映像

2023月1月20日より劇場公開される、1,100万ものユダヤ人絶滅政策を決定したヴァンゼー会議を題材とした映画「ヒトラーのための虐殺会議」から、ヴァンゼー会議が始まるシーンの本編映像が公開された。

本編映像は、大邸宅の豪華な一室に集められた出席者が各自の席についたところで、ラインハルト・ハイドリヒが親衛隊中将のハインリヒ・ミュラーとともに部屋に入ってくる場面から始まる。 出席者が緊張した表情を見せる中、ハイドリヒは出席への礼を述べ、「皆様を電話などの対応から解放すべく、仕事場から“誘拐”しました。なお、皆様の省庁が当館をご利用になる場合1泊あたり・・アイヒマン いくらだ?」「5ライヒスマルクです」「この安さ!」と軽妙な語り口で冗談を言って場をなごませ、出席者からは笑いもおこる。

続いてハイドリヒは、招待状に書かれたゲーリング国家元帥の言葉を引用し、「“組織面 実務面 物質面で必要な準備をすべて行い、欧州のユダヤ人問題を総合的に解決せよ。関係中央機関を参加させ、協力して立案し検討するように”と。そのための会議です」と述べ、着席する。現代のビジネス会議のように、書類にあるゲーリングの文章を指でなぞって確認するまじめな者もいれば、発言者をじっと見つめる者もいる。”史上最悪の会議”が始まる瞬間が切り取られている。

マッティ・ゲショネック監督のメッセージも公開された。監督は、「今この映画が日本で上映されることは非常に重要なことだと思います。ご存じの通り、1940年にドイツと日本、イタリアの間で日独伊三国同盟も結ばれています。この映画では、産業的な大量殺戮の経緯を冷静かつ客観的に描いています。これがジェノサイドの事実なのです!かつてあった現在であり、少し前に起きた出来事であり、それがかつての今日だったことを私たちは知るべきなのです!」と語っている。

「ヒトラーのための虐殺会議」は、すべてのドイツ占領下および同盟国から東ヨーロッパの絶滅収容所へのユダヤ人強制送還の始まりとなった“ヴァンゼー会議”に迫る作品。マッティ・ゲショネックが監督を務めている。

【作品情報】
ヒトラーのための虐殺会議
2023年1月20日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開
配給:クロックワークス
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