19歳の女性ドライバーがWECデビューへ。体制拡大のプレマが2023年ラインアップを一部発表

 1月10日、イタリアのプレマは2023年のWEC世界耐久選手権に参戦する同チームのドライバーとして、ドリアーヌ・ピンとファン・マヌエル・コレアを起用すると発表した。

 2022年、プレマはアイアン・リンクスと提携してプロトタイプレースへのデビューを飾り、WECに1台、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに1台のオレカ07・ギブソンを送り込んでいたが、2年目となる2023年はWECで2台体制を採る。

 19歳のフランス人で、女性ドライバーチーム『アイアン・デイムス』に所属するピンは、プレマの63号車オレカ07をドライブする最初のひとりとなる。一方、プレマの2022年のELMSタイトル獲得を助けたコレアは2023年、活躍の場をWECへと移して9号車オレカ07のステアリングを握ることになる。

 2021年にGT3デビューを果たしたピンは2022年、トタルエナジーズ・スパ24時間レースのゴールドカップクラスで優勝したアイアン・デイムスのフェラーリ488 GT3の一員として、スポーツカーレースのシーンに颯爽と現れた。

 また彼女は、フェラーリ・チャレンジ・ヨーロッパのトロフェオ・ピレリのタイトルを制し、ELMSのシーズンファイナルではGTEクラスで優勝を果たしている。

 この好調なシーズンの締めくくりとしてピンは、バーレーンで行われた最終戦翌日のルーキーテストにWEC推薦枠から参加し、オレカをドライブする機会を得ていた。

「2023年の世界耐久選手権にアイアン・デイムスの一員として、プレマから参戦できることをとてもうれしく思うとともに、興奮している」とピンはコメントしている。

「このために懸命に働いてきたので、このようなチャンスにとても喜んでいるし、チームの継続的なサポートには感謝してもしきれない」

「セブリングでシーズンをスタートし、チームとともに共通の目標に到達するのが楽しみだ」

2022年は女性ドライバーチーム『アイアン・デイムス』の一員としてELMSなどに参戦していたピン(中央)

 ピンとコレアは、プレマのそれぞれの車両におけるシルバードライバーを務めることになる。

 2004年1月生まれのピンはIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のミシュラン・エンデュランス・カップでアイアン・リンクスのランボルギーニ・ウラカンGT3 EVO2をドライブすることが決まっているが、アイアン・デイムスの声明によれば「さらなるGTキャンペーン(プログラム)」も予定されているという。

 なお、2021年から協力関係にあるアイアン・リンクスとプレマは、2024年にはランボルギーニのハイパーカー・プログラムに転向することが予定されている。GTプログラムにおいてもフェラーリからランボルギーニへと切り替えを進めるアイアン・リンクスは、LMDh参戦に向けて2023年にどのようなプログラムを採るのかが注目されていた。

 アイアン・デイムスの創設者であるデボラ・メイヤーは、次のように述べている。

「ドリアーヌのこと、そしてアイアン・デイムスがプレマとともに世界耐久選手権のLMP2に参戦することを、大変うれしく思う」

「ドリアーヌは若く、才能に溢れた有望なドライバーであり、昨年は彼女の努力と決意によって非常にポジティブなシーズンを過ごすことができた。彼女とチームのメンバーの今シーズンの幸運を祈っている」

 一方のコレアは2022年、プレマからELMSの2レースに参戦し、最終戦のポルティマオ4時間レースで優勝、チームのタイトルを確定させた一員である。

「2023年のF2参戦と並行して、耐久レースの次のステップに進むことは、とてもエキサイティングだ」と、アメリカ人であるコレアは語った。

「昨年のELMSは僕にとって新たなチャレンジだったし、本当に楽しめた。だから、2台体制でWECへステップアップするプレマが僕を継続して採用してくれたことに、感謝している」

「(WECは)とてもクールな開催カレンダーだし、初めて走るサーキットもいくつかあるので、チームとともにまたエキサイティングなシーズンを過ごしたいと思っている」

2023年のWEC参戦が発表されたファン・マヌエル・コレア

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