経文かざして健康祈願 五島・崎山の新年行事「お守りさん」

もろぶたをかざしてもらい、家内安全を願う住民=五島市下崎山町

 長崎県五島市崎山地区の新年の伝統行事で、経文をかざして1年間の家内安全と無病息災を祈る「お守(も)りさん」が10、11両日あった。
 経文は平家の落人が持ち込んだとされ、地元の大通寺に所蔵している。「もろぶた」と呼ばれる四角い容器に経文とウメの小枝を載せ、頭上にかざすと御利益があるとされる。
 11日は下崎山町などであり、はかま姿の地区の役員らが寺でお祈りを済ませた後、民家を1軒ずつ巡回。玄関先で「お守りさんです」と声をかけ、出迎えた住民の頭上にもろぶたをかざし「家内安全、無病息災」と言いながら祈願した。
 訪問を受けた山下クニ子さん(87)は「今年も元気で安全に暮らしたい」と話した。


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