バトントワーリング 努力を重ね全国へ羽ばたく井上結菜(大分東明1年) 【大分県】

幼い頃から、おもちゃのバトンを持って遊ぶことが楽しかったという大分東明高校バトン部の井上結菜。大分東明高校バトン教室に通い始めたのは幼稚園年中の頃だった。母親の勧めもあったが、習い始めた当初から、とにかくバトンが楽しかったと当時を振り返る。

初めての公式大会は小学2年の時。県バトントワーリング選手権のソロトアールの部に出場すると、県代表となり九州大会出場権を決めた。翌年は、同大会の九州大会で3位となり初めての全国大会に出場した。この大会を機に少しずつ自分に自信が持てるようになった井上。「大会に出場したての頃は無我夢中だったけど、結果が出てうれしかった。いつも緊張するので、演技の前にバトンを3度回し、深呼吸してからスタートラインに立つことで心を整えている」。その後も大分県、九州大会など数々の入賞を重ねながら、中学1年で出場したジュニア選手権九州大会で優勝し、全国大会では3位に輝いた。

毎日の練習は本番を想定している

順調なバトン人生に見えるが、小学5年の頃には大きな苦悩に直面する。県内大会で3位という好成績を残したにも関わらず、自分自身が納得できない時期を過ごしたという。「できない技が克服できず、同じ失敗ばかりで落ち込むことが続いた。メンタル面もうまくコントロールできなかった」と、当時を思い出しながら話すと大粒の涙がこぼれた。負けず嫌いで、何事も真面目に練習に取り組む彼女の成長の背景には、人知れず重ねた努力とバトンを愛する純粋さが見える。

井上がバトンを始めた頃から指導する喜田弘子コーチは、「どんな時も一生懸命。いつも全力で取り組む彼女の姿が、周りのメンバーにもいい影響を与えている」と井上のバトンに対する情熱と、努力を高く評価している。毎日の練習で常に本番を想像しながら、とにかく練習を重ねることが大切だという井上。「個人の目標は全国大会で3位以内に入ること。どんな時でも完璧な演技ができるよう頑張りたい」

小さなことにも手が抜けない性格だという16歳の演技は、これからも、見る者を魅了していく。

全国大会で3位以上を目指す

(塩月なつみ)

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