園児23人が憧れの「チョンダラー」になった! 運動会でサプライズ登場した父親をまねて 地域のエイサー復活も期待 沖縄・糸満

 【糸満】糸満市喜屋武の喜屋武こども園に通う4~5歳の23人が12月22日、集落の広場「へーランメー」で地域に伝わるチョンダラー演舞とエイサーを披露した。園児らは10月の運動会で父親らが舞う姿を見てチョンダラーに憧れ、練習を重ねた。その成果を見ようと家族や地域の人々が集まった。

 喜屋武地区では青年会の人数が減り、数年前から旧盆の中日にへーランメーで喜屋武エイサーが披露されなくなった。園職員が「コロナ禍で子どもたちにサプライズがしたい」と保護者らに呼びかけ、運動会の終盤で父親らがチョンダラーを踊った。

 園児らがチョンダラーを見るのは初めて。白塗りした顔に黒く縁取った目や口。父親と分からず、多くは泣き出した。それでも翌日から園児らは「チョンダラーになりたい」と、まねて遊ぶようになった。喜屋武コミュニティーセンターなどの展示や写真を参考にスルガー(頭のかぶり物)や扇などを作り、映像を何度も見返して振り付けを確認した。

 22日、園児は化粧の代わりに画用紙で作ったチョンダラーの面を着けて登場した。化粧の模様にも違いを見つけ、父親に下書きしてもらうなど細部までこだわった。園児(6)は「お父さんもへーランメーで踊っていた。また踊りたい」と目を輝かせた。

 ひ孫の踊りを見に訪れた安谷屋チヨ子さん(85)は「すごくよかった。子どもたちが大きくなってエイサーを復活させてほしいね」と話した。

 (比嘉璃子)

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