あおり運転の車ナンバー写真、スマホから届く 県警の現場は今 いたずら電話も相次ぐ中、1日に通報2千件

模擬110番を受理する、さいたま小町の樋口文乃さん(左)=10日午前、さいたま市浦和区の県警本部

 110番の適切な利用を促進しようと、埼玉県警通信指令課は10日、県警本部でさいたま観光大使「さいたま小町」の西川朋花さん(19)と樋口文乃さん(20)=いずれもさいたま市出身=に一日通信指令課長を委嘱し、模擬110番の受理や指令を体験してもらった。

 委嘱式では同課の磯部健一課長が1日で1800~2千件の通報があり、その中で緊急性がない通報が約2割を占めている現状を紹介。「110番は県民からのSOSをいち早く聞き取り、事件事故等の緊急事態に素早く対応するもの。警察が迅速的確に初動活動を行うために、適切な利用促進が図られることを期待します」とあいさつした。

 さいたま小町の2人は県内からの110番が県警本部に入る仕組みなどを学んだ後、交通事故や駐車違反を想定した模擬110番を受理。通報者から発生場所や状況などを聞き取り、最寄りの警察署に指令、現場に警察官を向かわせるまでの流れを体験した。さらに、110番映像通報システムも体感。実際に、あおり運転をした車両の画像をスマートフォンから送信した。

 体験を終えて、樋口さんは「困っている人を助けなければいけない現場なので、聞き取りやすい声で伝えることを意識した」と笑顔を見せ、西川さんは「初めてで緊張したけれど貴重な経験ができた。いたずら電話などがあることを知ったので適切に利用してもらえるよう県民に呼びかけていきたい」と力を込めた。

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