工藤静香さんが福井県の伝統野菜「山内かぶら」を絶賛 インスタに投稿、栽培続ける農家12人「活動の励みに」

工藤静香さん夫妻に山内かぶらの味を認められ喜ぶ「山内かぶらちゃんの会」のメンバー=福井県若狭町山内

 山内かぶら最高です-。歌手の工藤静香さんが2022年末、自身のインスタグラムの「ストーリー」に福井県若狭町山内の伝統野菜「山内かぶら」の写真と紹介文を掲載し、その味を絶賛した。同町内の生産者から、工藤さん夫妻と交流のある同県越前市の知人を通じて送られたもので、著名人の思いがけない反応に生産者は「味を認めてもらえてうれしい」と喜んでいる。

 山内かぶらは味や香りが濃く煮崩れしにくいのが特長で、100年以上の歴史がある。一時期出荷が途絶えていたが、2011年に地元住民が「山内かぶらちゃんの会」を結成。現在は65~89歳の12人が栽培、販路拡大に取り組んでいる。

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 同会代表の飛永悦子さん(80)が昨年末、知人で高村刃物製作所(同市)社長の高村光一(てるかず)さん(58)に「お歳暮代わりに」と山内かぶらを贈答。山内かぶらのおいしさを知っていた高村さんは「一度食べてもらいたい」と思い立ち、飛永さんに連絡した上で工藤さん夫妻の自宅に送った。

 高村さんは工藤さんの夫、木村拓哉さん主演のドラマ「グランメゾン東京」で同社の包丁が使われたことを縁に、おいしい県産食材が手に入ると木村さんの自宅に送っているという。

 受け取った工藤さんから高村さんに「紅白(歌合戦)に出るまでにおせちを作るので使わせてもらいます」とのメッセージが届き、12月29日に更新されたインスタのストーリーに「江戸時代から栽培されている福井県の山内かぶら」との文章とともに、薄くスライスした山内かぶらとカラスミを合わせた一品の写真が掲載された。高村さんには「最高です。間違いない」と食べた感想も送られてきたという。

 山内かぶらは品種改良された野菜と違い、見た目がごつごつとしてふぞろい。売り出した当初は「形が悪いと笑われ悔しい思いをした」と飛永さん。それでも「味には自信がある」と栽培を続け10年余り。「有名な方が味を認めてくれて、発信してくれたことが本当にうれしかった」といい、メンバーにもすぐ報告したそう。「活動の励みになった。12人で力を合わせてこれからも作り続けたい」と笑顔で意気込んでいた。

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