コロナやカンニング、安全対策に腐心…1月14、15日に大学入学共通テスト 福井県では5会場で3343人志願

大学入学共通テストの県内会場で最多の1634人が受験する福井大学文京キャンパス=1月12日、福井県福井市

 大学入学共通テストが1月14、15日に全国一斉で行われ、福井県内では福井大学、県立大学、福井工業大学の3大学5会場で計3343人(前年度比60人増)が志願している。両日の県内は3月並みの最高気温が予想され、雪の影響はない見込み。各会場では新型コロナウイルス感染対策に加え、昨年発生したカンニング問題や受験生刺傷事件を踏まえた対応にも腐心する。同テストの全国の志願者は約51万人。

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体調不良になったら

 流行「第8波」で感染者数が膨らむ中、マスク着用や手指消毒など基本的な感染対策を継続する。会場で体調不良を訴えた受験生については、これまで37.5度以上の発熱で追試験に回る決まりだったが、基準を「38度以上」に変更。科目単位での追試験も認める。無症状の濃厚接触者は、公共交通機関を使わないなど規則に従えば本試験当日に別室で受験できる。追試験は2週間後の28、29日。県内は福井大学文京キャンパスが会場で、昨年は11人の追試験が許可された。

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スマホは一斉に電源オフ

 昨年の共通テストでは、スマートフォンやイヤホンを使って試験問題の画像を外部に送り、答えを聞き出すカンニングが発覚した。県内会場では大学入試センターが示す防止策に基づき、試験監督による巡視を増やし、開始前に受験生のスマートフォンを机の上に出させて一斉に電源を切らせるなどの対応を取る。

 昨年の共通テスト初日には東京大学前で受験生ら3人が刺される事件が起きた。文部科学省は大学入試全体の実施要項に、危機発生時のマニュアル整備などを会場の各大学に求める内容を新たに盛り込んだ。県警は試験当日、会場周辺に警察官を立たせるなど警戒態勢を取る方針。

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「実学」系の人気目立つ

 河合塾が昨年10月に実施した共通テスト全国模試で調査・分析したところ、国公立大志望者のうち法学や経済は前年並みの志願割合を維持した一方、外国語や国際関係の割合は減少。理系では獣医が11%、薬学が8%増え、難関資格取得につながる「実学」系の人気が目立った。私立大志望者も同様の傾向があるほか、理・工、獣医などを志望する女子の割合が増えているという。

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