流れ弾が外壁貫通、民家リビングに…埼玉・狭山銃撃 被害男性と会話した後で発砲、バイク2人乗りで逃走か

発砲事件があった現場の周辺を調べる捜査員ら=7日午前、埼玉県狭山市広瀬台1丁目

 埼玉県狭山市のマンション付近でマンションの住民の無職の男性(55)が銃撃され、死亡した事件で、県警狭山署捜査本部は13日、銃撃後、現場から逃走したバイクが2人乗りだったことを明らかにした。事件は発生から1週間。県警は付近の防犯カメラの収集や精査、男性の交友関係を調べるなどして、逃げた犯人の行方を追っている。

 事件は6日午後7時15分ごろ、狭山市広瀬台1丁目のマンション駐車場に近接する路上で、家族と車で外出先から戻ってきた男性が拳銃で複数箇所を撃たれて、搬送先の病院で死亡した。死因は出血性ショックだった。捜査関係者によると、男性は暴力団関係者とみられる。

 捜査本部によると、目撃者の証言などから、犯人は発砲前に男性と会話していたことが分かった。銃撃後、もう1人が待つバイクに戻って後ろに乗り、北東方向へ走り去ったとみられる。拳銃は持ち去った可能性が高い。2人とも、現時点で性別は不明だが黒っぽい服装に、黒のフルフェースヘルメットを被り、白っぽいスクータータイプのバイクで逃げたという。

 また、男性の上半身に複数の銃創があったことはこれまでに確認されているが、命中しなかったとみられる弾が近隣住宅の外壁を貫通して室内に入っていたことも新たに判明。弾はリビングにあったタブレット端末用の充電器に刺さっていたという。住民は在宅していたものの、けがはなかった。

 県警はこの1週間で捜査員延べ498人を投入した。

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