ベッテル、フェラーリF1在籍中にメルセデスと交渉を行ったと明かす

 セバスチャン・ベッテルは、フェラーリF1チームに在籍していた期間中にメルセデスと一時的に話し合いを持っていたことを明らかにした。

 ベッテルは、レッドブルとの6年の間にF1世界タイトルを4回獲得、2015年にフェラーリに移籍した。

 フェラーリにタイトルをもたらすことを望んでいたベッテルは、2020年末でチームを離れるまでの間に14回のグランプリ優勝を飾り、2017年と2018年には最大のライバルであるルイス・ハミルトンに次ぐ2位につけたものの、チャンピオンの座に就くことはできなかった。

 先月、F1のポッドキャスト番組『Beyond the Grid』に出演したベッテルは、フェラーリ在籍中にメルセデスのノンエグゼクティブチェアマンだったニキ・ラウダを通じて同チームと非公式に接触し、互いの考えを探ろうとしたことがあったと明かした。

2022年F1第18戦日本GP セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)

「チャンスはあったかもしれない。ニキと話をした」とベッテル。「それはフェラーリに在籍していた時のことだった」

「もちろん大変なことになっただろうね。ルイスが彼らのナンバーワンドライバーだったから。彼らが僕たちふたりをチームメイトとして走らせたかったのかどうかは、確かではない」

 当時のベッテルには、フェラーリを離れることは考えられなかったため、メルセデスとの話し合いはそれほど「本格的」なものではなかったという。

「僕はフェラーリでの仕事にコミットしていたから、当時は(メルセデスへの移籍に)それほど関心はなかった」とベッテル。

「フェラーリで成功することが夢だった。だから、(メルセデスと)話し合いはしたけれど、本格的なものではなかった」

「(メルセデスに行っていたら)素晴らしい挑戦になっただろうし、楽しめただろうと思うけれど、そうなる運命ではなかった」

「当時、フェラーリで勝つことに集中していた。別のチームに移籍したいとかメルセデスで勝ちたいとは思っていなかった。そのためその話は実現されなかった。それで構わなかったと思っている」

「ルイスとレースをするのは楽しかっただろうけどね。僕たちは本当に仲がいいから。2017年のアゼルバイジャンGPではある一件が起きたけれど(注:ベッテルがハミルトンにブレーキテストをされたと思い込んで憤り、ハミルトンにヒットした)、あれは今となっては『誤解』と表現できるようなことだと思うよ!」

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