絵馬に込めた「世界一」に向けて 岡田晃平が2日間の苦闘で得たもの

PGAツアー初挑戦を終えた岡田晃平。アマチュアで憧れのツアーを経験できたことは大きい(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国男子◇ソニーオープンinハワイ◇ワイアラエCC(ハワイ州)◇7044yd(パー70)

ハワイで開催された「ソニーオープン」でPGAツアーデビューをした岡田晃平(東北福祉大3年)は、初めての渡米を前に初詣に行ってお参りをした。これまで経験はなかったが、実家のある高知に帰省しようとしたものの家族が体調を崩し、ひとり大学の寮がある仙台に残り時間を持て余していたためだ。

「寒くて練習もできないし、暇だなって」と何気なく行った神社でおみくじを引いて出たのは「大吉」。絵馬には「今年は『世界一』が獲れますように」としたため、現在24位につける世界アマチュアランキングの浮上を誓った。

2022年7月の「日本アマチュアゴルフ選手権」で優勝。国内アマチュアランキング1位として乗り込んだPGAツアーは、世界トップ選手との差を痛感する場となった。初日に「76」をたたき、2日目も「73」として通算9オーバー141位で予選落ち。「すべてが足りない。自分的には5年、10年早いと思うぐらいレベルが違った」と2日間を振り返る。

ハウスキャディとともに2日間を戦った(撮影/田辺安啓(JJ))

クセの強いハワイ特有のバミューダ芝。硬い地面にも手こずり、「打ち込んだらスピンが多くかかっちゃう」と思うように打たせてもらえない。「いきなり来て予選を通れるとは思っていなかった」と苦戦する覚悟はしていたが、世界最高峰を誇るツアーのセッティングは想像の3倍以上の難しさに感じたという。「攻め方が分からなかった」というコースに、最後まで順応できなかった。

悪戦苦闘のなかにも、目指すPGAツアーで現在の力量と課題を知ることができたのは大きな収穫。「これから次のステージで戦う準備をしないといけないですね」と前を向く。週末もコースを訪れ、母校の先輩である松山英樹や蝉川泰果らのプレーに熱心に目を凝らしていた。これからの競技人生において、濃厚な一週間になったはずだ。

週末はギャラリーの一人としてトッププロのプレーを勉強(撮影/田辺安啓(JJ))

大学で最高学年になる今年は、プロのトーナメントに出場できるかはまだ白紙の状態。目下の照準は「全米アマチュアゴルフ選手権」や「世界アマチュアゴルフチーム選手権」への出場になる。「今までPGAがどういうところなのか分からなかったので、それを確認できてモチベーションになった。目標になりました」。これまで映像でしか見たことのなかった舞台を実際に踏んだ経験は、20歳にとって何よりの財産となる。(ハワイ州ホノルル/石井操)

午後組で出た2日目。帰る時はもうこんなに暗かった(撮影/田辺安啓(JJ))
1学年違いのふたり。母校カラーの黄色が目立つ(撮影/田辺安啓(JJ))

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