自身に高い期待を抱くルーキーのサージェント。アメリカ人F1ドライバーであることに「余計なプレッシャーはない」と語る

 ウイリアムズのルーキーであるローガン・サージェントは、2015年以来となるF1におけるアメリカ人ドライバーであることに余計なプレッシャーは感じていないと述べており、国籍ではなく「ハードワーク」によってシートを勝ち取ったのだと主張している。

 アメリカでF1は明らかに大きな盛り上がりをみせており、2023年はマイアミ、オースティン、ラスベガスでグランプリが開催される。しかし歴史的に見ると、アメリカはたったふたりのF1世界チャンピオンを輩出したにすぎない。そのふたりとはフィル・ヒルとマリオ・アンドレッティだ。また、レース優勝を飾ったのは、当然だがヒルとアンドレッティ、そしてダン・ガーニー、リッチー・ギンサー、ピーター・レブソンの5人だ。

 F1で最後にレースをしたアメリカ人ドライバーは現在インディカーのスタードライバーであるアレクサンダー・ロッシで、2015年にマノーから5戦に参戦した。フルタイムで参戦したアメリカ人ドライバーは、直近では2007年のスコット・スピードだ。多くのアメリカ企業が革新的なエンジニアリングの専門知識をF1に提供し、その存在がグランプリレースの健全な継続に影響を及ぼしていることをしばしば証明しているのに、このコースレコードは国としては残念なものだと言えるだろう。

 FIA F2で1シーズンを過ごしF1昇格を果たしたサージェントは、重いバトンを手にすることになる。しかし21歳のサージェントは、F1でアメリカ国旗を背負って戦うことに何の重圧も感じていない。

「結局、自分はこの地点に到達するまでに、誰もと同じように多くのハードワークを行ってきたのだと思う」とサージェントが語ったと『Formula1.com』は報じている。

「『可能な限り最高のドライバーになるために、可能な限りの準備をする』と考えなければいけない」

「(国を)代表してアメリカの人々に誇りに思ってもらえるよう願っている。正直なところ、それは余計なプレッシャーなんかではないと思う。自分自身には高い期待を抱いているけれどね」

2022年F1アブダビテスト ローガン・サージェント(ウイリアムズ)

 ウイリアムズはアメリカ人ドライバーを起用し、世界最大のマーケットを開拓することで、マーケティングの観点から多くの恩恵を得るかもしれない。しかしサージェントは、2023年のニコラス・ラティフィの後任として名前が挙がった時も、彼の国籍は二の次だったと考えている。

「ただのうれしい偶然だと思いたい。前にも言ったように、僕は過去何年にもわたって努力を重ね、この夢を現実にするために若い頃からヨーロッパに行ってコミットしてきた」

「僕はとても優れたジュニアフォーミュラでのキャリアを持っていると感じている。その章は終わりにして、次の章へ移ることを楽しみにしているよ」

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