「海ごみ」の現状に関心を トランクに詰め込み展示 対馬博物館で20日まで

トランクを生かして対馬の海ごみ問題について伝える展示=対馬博物館

 長崎県対馬市厳原町の対馬博物館ギャラリーで、対馬の海ごみ問題の実情を伝える「漂着物のトランク・ミュージアム®対馬版」の展示会が開かれている。20日まで。入場無料。
 トランク・ミュージアムは、環境NGO「JEAN」(東京)が始めた取り組み。対馬版には、市内の海辺で回収された歯ブラシやペットボトルなどのごみが詰め込まれている。海ごみがもたらす問題や、ごみがどこから流れ着くか、プラスチックごみによる海洋汚染の解説なども添えられている。
 対馬沿岸には年間推計で約2万~3万立方メートルのプラスチックなどの海ごみが漂着するとされ、深刻な社会問題となっている。展示会は同市で海ごみ問題対策に取り組む一般社団法人「対馬CAPPA」が企画。トランク・ミュージアムのほかに、海洋プラスチックごみを再利用する市の取り組みなどをパネルや写真、図で紹介している。
 同法人は環境教育に生かしてもらうと、トランク・ミュージアムを市から預かり、市内に貸し出す取り組みもしている。吉野志帆さん(40)は「回収した海ごみがどう生まれ変わっているかを多くの人に知ってほしい」と話した。

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