2023年1月の配当利回りランキング−−2位は積水ハウス、1位は?

株式投資の魅力として、配当金や株主優待を受け取れるという点を挙げる方も多いのではないでしょうか? 配当利回りは、一株あたりの配当金 ÷ 株価で計算することが出来ます。配当利回りが高い株式である高配当株を狙いたいという方もいるでしょう。

今回は、2023年1月の配当利回りの高い企業についてお伝えします。


2023年1月の配当利回りランキング

第1位 菱洋エレクトロ(8068)
電子部品や電子機器を取り扱っている商社で、「産業のコメ」と言われる半導体デバイス事業では、家電やクルマなど社会のデジタル化に欠かせない半導体デバイスを扱っています。ソリューション事業ではサーバーやネットワーク、クラウドなどの企画から、運用・保守まで一気通貫で行えます。画像認識やセキュリティの分野で、システムの研究開発に注力もしており、多彩な製品が強みです。

予想配当利回りは4.64%。東証プライム市場の平均的な企業の配当利回りは約2%と言われていますので、比較するとかなりの高利回り銘柄だと言えます。

利回りは低いものの株主優待も実施されており、10単元(1,000株)以上保有する株主か、5単元(500株)以上を1年以上継続して保有する株主に、日本各地のおいしい食品などから好きなものが選べるギフト商品(3,000 円相当)と、国内約25,000ヵ所の宿泊施設の割引などが特別価格で提供される会員限定優待サービスが送られます。毎年4月下旬に株主優待の内容に関する案内が発送されるとのことです。

第2位 積水ハウス(1928)
テクノロジーを駆使した技術力と施工力、世界一の累積建築戸数を誇る強固な顧客基盤を強みとする住宅メーカーで、累積建築戸数は254万戸。「住」に特化した事業展開を行い、開発・生産・施工を一体化することでコストダウンにも取り組んでいる企業です。高い断熱性と省エネ設備により消費エネルギーを大幅に削減しあり、太陽光発電などの設備になど環境に配慮した住宅も提供しています。

2022年9月に2023年1月期の配当予想を前期比および前回予想比で増配とする11期連続増配を発表しました。予想配当利回りは4.3%となっています。

同社も株主優待を実施しており、1,000株以上の株式を保有する株主に毎年10月下旬から11月上旬にかけて、魚沼産コシヒカリ(新米)5キロが送られます。お米の優待は人気がありますし、インフレが懸念されるなかで家計の助けにもなると思います。

第3位 コーセーアールイー(3246)
九州各県および首都圏に、ブランドマンションの「グランフォーレ」シリーズを展開する総合デベロッパー。上場したのは2017年で、立地だけでなく付加価値の高いマンションづくりにこだわりがあり、資産運用型マンションと新築居住型マンション開発に強みがあります。ストック型のビジネスである賃貸管理事業が業績に安定感をもたらすほか、メンテナンス事業によって購入後も安心感があることも強みのようです。

2022年12月に2023年1月期の増配を発表、3期連続増配となります。予想配当利回りは4.17%となっています。

コーセーアールイーの株主優待はQUOカードです。1年以上継続保有の株主を対象にQUOカードが贈呈され、所有株式数が増えると金額が上がります。100株以上で500円分、200株以上クオカード1,000円分、500株以上で2,000円分、1,000株以上で3,000円分、2,000株以上で5,000円分のQUOカードが贈呈されます。QUOカードはコンビニなどでも使えて便利ですね。

第4位 スバル興業(9632)
半世紀に渡って首都高速や東名高速、名古屋高速、阪神高速といった主要高速道路や一般道の維持や補修をになってきた企業です。もともとスバル興業は1946年に映画興行を主たる事業として設立した企業でもあり、レジャー事業や不動産事業も展開しています。60年以上連続して黒字を出し続けている企業でもあります。道路の老朽化が国家的な課題であるなかで、主力の道路メンテナンス事業は長年にわたり培ったノウハウや経験をもとに受注拡大を推進していくとのこと。予想配当利回りは4.15%です。

同社の株主優待はTOHOシネマズギフトカードです。全国のTOHOシネマズで映画チケットの購入や劇場内での各種ドリンクやスナック、パンフレット等の購入で利用が可能です。3年以上継続保有している株主に対しては長期保有特典が付与されます。

・100株以上保有で2,000円分、3年以上保有で3,000円分
・200株以上保有で3,000円分、3年以上保有で4,000円分
・300株以上保有で4,000円分、3年以上保有で5,000円分

第5位 タカショー(7590)
タカショーはガーデニング関連製品の製造、販売、輸入を手がけるガーデンとエクステリアのライフスタイルメーカーです。ガーデニング用品の取り扱いでは国内トップシェア、ハイクラスの非住宅分野向けから、DIY向けなど汎用的な商品まで幅広く取り扱っています。リアルのみならずネットでの販売も手がける企業です。予想配当利回りは3.42%です。

株主優待は100株以上の保有の株主に株主優待特別販売カタログが、500株以上保有すると保有株数に応じてガーデニング関連商品と交換できるポイントが贈呈されます。なお、同社は1月20日(金)が権利確定日なのでご注意ください。


利回りという切り口で銘柄を探してみるのもありだと思いますし、高利回り銘柄は配当落ち後に株価が下がる場合もありますので、そこを狙って長期でゆっくり保有するというのも戦略かもしれません。株主優待は、長期保有でメリットがある銘柄も多いのでチェックしてみてください。

なお、本稿は個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。皆様の投資の参考に少しでもなれば幸いです。

1月16日週「相場の値動き」おさらい

最後に今週の相場も見ていきましょう。

1月18日(水)発表の12月米卸売物価指数(PPI)は前月比0.5%低下と市場予想下振れ。12月の米小売売上高は前月比1.1%減と、2ヵ月連続での鈍化となったほか、消費関連の企業決算が軟調だったこともあり、個人消費減退を示す懸念からリセッションが意識されています。

12月米鉱工業生産指数も1.3%低下と市場予想を下回っており、インフレ鈍化&利上げ減速を好感した買いと、景気減速を懸念する売りや利益確定売りが綱引きとなる中で、1月16日週は売りが優勢となったようです。

日本では1月17日(火)・18日(水)に開催された日銀金融政策決定会合で、日銀が金融政策の現状維持を決定しましたね。短期金利にマイナス0.1%を適用し、長期金利はゼロ%程度を誘導水準とする方針を維持するとのことで、長期金利の許容変動幅も12月に変更した上下0.5%幅に据え置きました。コアCPIの前年度比の上昇率見通しは2022年度が3.0%と従来の2.9%から上方修正、2023年度はプラス1.6%とされています。

日銀が12月の会合において金利水準のゆがみを是正するためとして長期金利の上限を0.5%程度に引き上げるサプライズをしたことで、今回は金融政策修正への警戒感が意識されていましたが、日銀金融政策決定会合の無風通過で、株式市場には買い安心感が広がったようです。

一方、金融政策修正への警戒感で、市場では国債を売る動きが強まり、長期金利は0.5%を超えて推移していましたが、会合後に長期金利は大幅に下落しました。イールドカーブ(利回り曲線)をみると、歪みが見て取れます。9年債利回りが10年債利回りを上回る状況、国債市場機能の低下が続いているといえます。

日米ともに、イールドカーブや債券の動向にも目を向けてみると、より投資のチャンスが広がるかもしれません。

また1月16日週は日本の個人による2022年のFXの取引額が前年比2倍の1京2074兆円と、1京円の大台を超えて過去最大となったとの報道もありました。FXなど株式以外についても、この連載でお伝えしていければと思います。

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