<金口木舌>「脱マスク」への道のり

 2歳の娘は保育園の担任の素顔を、ほとんど見たことがないようだ。普段から一緒に遊んでいるが、保育士は感染防止のためマスクを着用する。担任の素顔の写真を見せたら首をかしげた

▼新型コロナの感染が国内で確認されて3年が過ぎた。今やマスク姿は日常となった。感染防止のため必要性は理解している。ただ相手の素顔が見えない生活は息苦しくもある

▼政府は屋内でのマスク着用を原則不要とする案を検討する。屋外では会話をしなければ着用の必要はなくなった。海外で「脱マスク」が進む中、日本もそうなるのだろうか

▼調査会社マイボイスコムの調べでは、着用指示がなくてもマスクを使う人は7割を超えた。感染防止のほかに着用が「習慣になっている」との意見もあった。コロナ禍の長期化で、マスクを外すことに抵抗を抱く人は増えた

▼県内では新型コロナとインフルエンザが同時に流行する。感染防止のためにも今はマスクが手放せない。一人一人ができることを徹底したその先に、素顔で向き合える日常が訪れる。

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