『飯塚の座敷雛』で童話、春夏秋冬を表現 企画展「平戸松浦家のひな人形」4月3日まで

部屋いっぱいに飾られた座敷雛。「桃太郎」や「かぐや姫」の場面で春夏秋冬を表現している=平戸市、松浦史料博物館

 江戸時代まで九州北西部を治めた平戸藩主、松浦家ゆかりのひな人形などを披露する企画展「平戸松浦家のひな人形」が21日、長崎県平戸市鏡川町の松浦史料博物館で始まった。今回は、福岡県飯塚市の人形研究家、瀬下麻美子さん、嘉浩さん親子が所蔵する「飯塚の座敷雛(びな)」を特別展示する。4月3日まで。
 江戸時代は宿場町、明治以降は石炭産業で栄えた飯塚市では、豪邸の座敷をひな人形で飾っていたという。借り受けた座敷雛は同館入り口近くの20畳の部屋を埋め尽くすように展示。千点超の人形と道具類などで「桃太郎」「一寸法師」「わらしべ長者」「かぐや姫」など童話の場面を構成し、春夏秋冬を表現している。
 北松佐々町から家族で訪れた町立口石小4年、松尾俐飛さん(10)は「いろんな物語が交ざっていて、場面を見つけるのが楽しかった」と話した。
 同館展示室には江戸時代後期に松浦家に嫁いだ老中、松平定信の娘、蓁姫(しんひめ)のひな人形一そろえと調度品など同博物館所蔵の計約100点を展示。人形、調度品はいずれも質素で落ち着いた雰囲気で、倹約を旨とした定信の人柄がにじんでいる。
 同館は午前8時半から午後5時半まで。入館料600円(高校生以下350円)。問い合わせは同館(電0950.22.2236)。

松浦家に嫁いだ江戸時代後期の老中、松平定信の娘、蓁姫のひな人形

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