量子暗号分野の特許数で韓国は世界4位...10年で2倍に急増 日本は世界2位も減少傾向

量子コンピュータの登場で、情報通信分野のセキュリティシステムが無力化するという懸念から、世界で量子暗号通信関連の特許出願が増えている。この10年間で4倍以上に増えたことが分かった。

(参考記事:韓国紙「日本が2025年に量子コンピューター実用化へ」…スパコンでは日韓格差大きく

量子暗号とは、現在の暗号(パスワード)方式などのデジタル情報を利用せず、量子コンピュータで使用されている物理量子状態を利用する暗号方式だ。さらに、「ポスト量子暗号」は、量子コンピュータでも解くことができないように数学問題の複雑さを大幅に高ためた形の暗号アルゴリズムを意味する。

韓国特許庁は韓国の「ポスト量子暗号」関連特許出願が2020年基準219件となり、10年前の2011年(52件)より4.2倍増加したと今月6日に明らかにした。これは年平均17.3%増加した水準だ。

量子暗号を中心としたセキュリティ市場はますます大きくなると見込まれる。韓国特許庁は市場調査会社スターティスターと米国国立標準技術研究所(NIST)の資料を総合した結果、ポスト量子暗号技術の経済的価値が2026年には27兆ウォン(約2.9兆円)に達すると予想した。 これはセキュリティ市場全体の規模である247兆ウォン(約26兆円)の11%を占める水準だ。

国別では米国がポスト量子暗号関連の全特許出願のうち31.6%の比重を占めた。続いて日本(16.2%)と中国(13.2%)が続いた。 韓国は10.2%で世界4位を記録した。 韓国特許庁によると、最近、日本の特許出願件数は多少減少しており、中国と韓国は出願の増加傾向が高い。

韓国特許庁調べによる各国の年別ポスト量子暗号関連特許出願数/上から米国、日本、中国、韓国、オランダの順/’20年は未公開出願を除外/オランダの年平均増加率は最近9年間(’12~’20)で算定

ポスト量子暗号は数学問題の種類に応じて、格子・ハッシュ・多変数・コード・楕円曲線の5種類に分かれる。 種類別では格子ベースの暗号方式が32%で最も多く出願された。 韓国は10年間、格子ベースの出願が69件に達した。 米国と日本はそれぞれ90件と76件で、韓国より出願件数が多かった。

ポスト量子暗号技術の開発は、企業が主導していることが分かった。 主な出願人としては、オランダのフィリップス(73件)が最も多く出願し、ソニー(72件)・インテル(63件)・IBM(43件)・富士通(35件)が続いた。

一方で韓国は研究開発が政府主導で行われ、大学と研究所からの出願比率が高かった。 国内出願人はクリプトラボ(25件)・サムスン(14件)・ソウル大(7件)・高麗大(7件)の順だった。

韓国特許庁のパク・ジェイル人工知能ビッグデータ審査課長は「暗号技術は優れたアイデアでグローバル大企業と競争できる分野」であるとし「量子コンピュータで次世代暗号技術市場が開かれるだけに、核心技術を確保してサイバー安全保障脅威に備えて市場を先取りするための努力が必要だ」と述べている。

(参考記事:韓国貿易協会「水素技術の国際特許、欧州が28%、日本が24%保有」「韓国は初期段階」
(参考記事:「半導体企業の効率性…1位は台湾、2位は日本、韓国は4位に陥落」韓国経済研究院
(参考記事:「韓国語が中国語を抜き世界7位の人気言語に」有力アプリが発表 日本語は?

(参考記事:世界信頼度調査、韓国企業とメディアは28カ国中最下位…日本は驚きの結果に
(参考記事:韓国紙「スパコン弱小国の韓国、国内IT大手は海外のインフラで開発」 スパコンの数は日本の5分の1以下
(参考記事:【旅券ランキング】世界2位は韓国…192カ国にノービザで行ける しかし日本は…

© 合同会社WTS研究所