最新フェアレディZのカスタムが集結。専用キット装着で“速さ”に磨きをかけた車両に注目/東京オートサロン2023

 最先端のカスタムカーの“花形”車両といえば、スポーツカーだ。ここ数年、トヨタ・スープラ、トヨタGR86/スバルBRZ、ニッサン新型フェアレディZと国産メーカーのスポーツモデルの当たり年が続いていることもあって、今年の東京オートサロン2023の会場でも最新モデルからニッサンGT-Rなどの定番モデルまで、さまざまな和製スポーツカスタム車両を見つけることができた。

 なかでも、今年もっとも目立っていたのはニッサン新型フェアレディZ。外観をよりスポーティに魅せるカスタムから、エンジンや足まわりに専用キットを装着させてパワーアップを図るモデルなど、アプローチの仕方はさまざま。ここでは、最新チューニングが注がれた意欲作を紹介しよう。

* * * * * *

■TOP SECRET RZ34 GOLD

 TOP SECRETは最新のニッサン・フェアレディZをベースに、ドライカーボンエアロを組み込んだカスタムカーを披露。同ブランドを象徴するゴールドペイントに加えて、GTウイングやリヤオーバーフェンダーまでカバーするフルエアロキットを組み込むことでスポーティなスタイリングを演出している。

 このエアロスタイルは機能面も追求されており、軽量化や排熱構造、さらにダウンフォース性能も念頭において開発されている。最新Zに宿る潜在力を余すことなく開放してくれる、リアルチューンドモデルだ。

TOP SECRET RZ34 GOLD

■ARTA MECHANICS VIGALE

 モータースポーツブランド『ARTA MECHANICS(エーアールティーエーメカニクス)』に展示されていたのは、トヨタGR86をベースにオリジナルパーツを装着した『VIGALE(ヴィゲイル)』という名のコンプリートカー。発売済みの『LEGAVELO(リガヴェロ)』に続く、第二弾のコンプリートカーとなる。

 『VIGALE(ヴィゲイル)』とは、“VI(勝利)”と“GALE(疾風)”を合わせた造語。カスタムの内容は贅沢なもので、エアロから給排気系、足まわりまでトータルチューニングが施されている。

 グラスファイバー素材のボディパーツは、全体のイメージを大刷新してくれるフルキット仕様で、細部意匠を可能な限り尖らせて仕上げたエッジスタイルを表現。戦闘機をモチーフにしたマット感にほどよい艶を持たせたグレーのカラーリングもオリジナル塗装、さらにHKS製のスポーツマフラーや車高調キットもこのモデル専用にセッティングされた特注品が奢られる。

ARTA MECHANICS VIGALE

■HKS ABARTH 595

 欧州スポーツモデルにHKSプレミアムパーツを組み合わせることで、トータルバランスに優れた走りの楽しいクルマに仕上げる。名門チューナーのHKSの新たな提案として注目を集めるアプローチが『HKS VIITS』だ。

 『HKS VIITS』の第一弾としてベース車両に選んだのが、小排気量ターボ車ながら刺激的な走りが楽しめるアバルト595Competizione。用意されるプログラムも専用に設計されたエキゾーストシステムやスポーツサスペンション、ブーストコントローラーなど、HKSならではのリアルチューンドパーツが揃う。

 この展示車両のほかに、HKSのブースではオイルクーラーキットやタービンキットのプロトモデルを装着したエンジンも展示されていた。普段乗りで速さを楽しみたいというライト層からサーキット走行に比重を置いたヘビー層まで、大きな注目を集めるだろう。

HKS ABARTH 595
東京オートサロン2023のHKSのブース

■Kansaiサービス GR86

 KansaiサービスのGR86には、オリジナルのフロント/リヤタワーバーなどの機能パーツが装着されるほか、クスコ製のLSDやHKS製のスーパーチャージャーをオンセット。ノーマル時はNAのFA24エンジンをスーパーチャージャー仕様に変更することで、最高出力235ps(NA)を394psまで引き上げている。FRスポーツの代名詞となった86/BRZの可能性を追求した1台だ。

Kansaiサービス GR86
Kansaiサービス GR86

■ROHAN GTR Crazy Diamond

 『ROHAN GTR Crazy Diamond』には特殊なグラインダーを用いて直接ボディにラインを彫り込んでいく“グラインダータトゥー”と呼ばれるカスタムペイントが施されている。この展示車両はボンネットとサイドフェンダーを中心に施工されており、スノーホワイトの塗装に立体感のあるラインが重ねられている。

ROHAN GTR Crazy Diamond

■HKS ADVANCED HERITAGE

 旧き佳き時代の名車に最新の技術を注ぐことで、オリジナル以上の性能に引き上げる。2021年の開発発表以降、順調に進捗しているのがHKSの新たなアプローチ『HKSアドバンスドヘリテージ』だ。今年は、スカイラインGT-RのRB26直6ターボエンジンとボディシェルを展示していた。

 このRB26エンジンの開発目標は最大出力600psと燃費性能20km/L(欧州WLTPモード)の両立。最先端の給排気設計や燃焼管理、新開発ターボチャージャーを投入することで、この異次元の目標を目指すとのこと。

HKS ADVANCED HERITAGE
HKS ADVANCED HERITAGE

■M’z SPEED CROSS LINE CROWN CROSSOVER

 M’z SPEEDのトヨタ・クラウンクロスオーバーのカスタムモデルは、同社が販売するコンプリート専用のエアロパーツを装着した1台。フロント&リヤバンパーにリヤウイング、デイライトキット、アルミホイールという比較的少ないパーツでスタイリングを一変。純正スタイルだと少しセダン感が強いクラウンを個性が際立つクロスオーバー寄りに変貌させていた。

M’z SPEED CROSS LINE CROWN CROSSOVER

■VRARVA MARS RAV4

 スポーツチューンの名門クールレーシングが仕掛ける新カスタムブランド『VRARVA』。その第一弾が、トヨタRAV4をベースにした『MARS(マーズ)』だ。鋼金属をイメージさせるメカニカルデザインに、戦闘機のような攻撃的ミリタリーテイストを融合させたクロスオーバースタイルは圧倒的な存在感を持つ。合計12点となるボディパーツはいずれも高い製造技術が用いられる専用設計で、新車/中古車を対象としたコンプリートキットとして提供されるとのこと。

VRARVA MARS RAV4
VRARVA MARS RAV4

© 株式会社三栄