いよいよ2023年シーズンへ本格始動。鈴鹿サーキットで3メーカー参加のスーパーGTテストがスタート

 1月24日、三重県の鈴鹿サーキットで、スーパーGT GT500クラスに参戦する8台の車両が参加し、日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)主催のメーカーテストがスタートした。この日は全国的に厳しい冷え込みとなり、鈴鹿も雪が舞うなど変わりやすいコンディションとなった。そんななか、午前のセッション終了間際にはTGR TEAM ENEOS ROOKIEの14号車が大きなクラッシュを喫するなど、波乱の一日となった。

 2022年11月に最終戦もてぎを終えた後、スーパーGTはオフシーズンに突入したが、その間もGT500クラスではTOYOTA GAZOO Racing、ホンダレーシングが体制発表を行う一方、12月からもてぎでメーカーテストがスタートしていた。ただ、3メーカーの多くの車両が参加してのメーカーテストは2023年シーズンに向けては今回の鈴鹿が初。今季の皮切りとも言えるテストとなった。

 今回参加したのは、主催でもあるニッサン勢が4台。TEAM IMPUL、NDDP RACING、NISMO、KONDO RACINGの4台という顔ぶれ。カラーリングは4台ともほぼ2022年のままだが、TEAM IMPULのみ宿願のカーナンバー1をつけて姿をみせた。

 一方トヨタ勢はTGR TEAM ENEOS ROOKIEの14号車、TGR TEAM WedsSport BANDOHの19号車、TGR TEAM ZENT CERUMOの38号車という3台が参加。14号車は2022年のまま、19号車はボンネットがカーボン地、38号車はすべてカーボンという装いでの参加となった。また TGR勢では他チームのエンジニアやドライバーも鈴鹿に姿をみせている。また2022年同様、チームの地元でもあるAstemo REAL RACINGの17号車がホンダ勢で唯一参加した。

 そんな今回のテストは1月24〜25日の予定で、午前、午後とも2時間ずつの走行が予定されていたが、25日に荒天の予報が出ていたことからスケジュールを変更し、24日は9時〜12時/13時〜16時と3時間ずつの走行が行われた。

 全国的に寒波のため冷え込みが厳しい一日となったが、鈴鹿も終日気温10度に届かないような状況で、各車ともタイヤウォーマーを使いながら走行。時折コースアウト等もあったが、午前は赤旗中断なくセッションが進んだ。

 ただ午前の終了間際、山下健太がドライブしていたTGR TEAM ENEOS ROOKIEの14号車が、なんらかのトラブルが起きたか130Rで激しくバリアにクラッシュ。衝撃で横転するアクシデントが発生し赤旗中断。そのまま午前は終了となった。山下は自力で脱出したが、メディカルセンターに運ばれその後病院で診察を受けている。車両はフロントを中心に大きなダメージを負っており、修復はすぐには厳しい状況で、チームは午前のみで走行を打ち切った。

 午前の走行後、鈴鹿には雨が降り出し、やがて雪に。路面はウエットコンディションとなってしまったことから、13時からの午後の走行は序盤ほとんどの車両がピットでステイした。その後晴れ間も見えはじめ路面も少しずつ乾いてはきたものの、終盤にはふたたび雪が舞うなど、冷え込みと変わりやすい天候に泣かされたテスト初日となった。

 テストは25日は午後のみ走行が行われる。

NDDP RACINGの3号車ニッサンZ GT500
TGR TEAM WedsSport BANDOHの19号車GRスープラ
NISMOの23号車ニッサンZ GT500
Astemo REAL RACINGの17号車ホンダNSX-GT
TGR TEAM ZENT CERUMOの38号車GRスープラ
TGR TEAM ENEOS ROOKIEの14号車GRスープラ
KONDO Racingの24号車ニッサンZ GT500
鈴鹿サーキットで8台が参加してスーパーGT GT500クラスのメーカーテストがスタートした
クラッシュしたTGR TEAM ENEOS ROOKIEの14号車

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