安井息軒 晩年の功績紹介 記念館で明治展

安井息軒の著作や関連本など約50冊を手に取ることもできる企画展「明治の息軒」

 宮崎市清武町の安井息軒記念館で企画展「明治の息軒」が開かれている。年表のほか、郷土が生んだ儒学者息軒の功績などを紹介するパネル約30枚や著書、関連書籍など約50冊を展示している。入館無料、3月26日まで。
 息軒の生涯を時代ごとに分けて紹介する企画の最終章で、今回は晩年期。展示場内は撮影が許可されており、一部を除き書籍を手に取って読むこともできる。
 漢文で書かれた著作のほか、弟子に和訳させたものや、戦後に台湾で出版された海賊版も展示。キリスト教を論じた「弁妄」は欧米の研究者向けに訳された英語版や英字新聞に掲載された書評を読むことができる。
 多くの弟子が明治政府の要職に就いたことや、森鴎外、夏目漱石といった文豪による息軒評や書籍も紹介。同館の青山大介学芸員(50)は、「息軒の書籍はほとんどが明治になってから出版された。それほど時代のニーズがあったことを知ってほしい」と話している。

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