最強寒波で福井県内の車事故161件 田んぼ転落、スリップ追突…水道管トラブルも多数発生

脱輪し、動けなくなった軽乗用車=1月25日午前7時25分ごろ、福井県福井市灯明寺町

 福井県内は“最強寒波”の猛吹雪の影響で1月25日にかけ、路面凍結などによる事故や水道管凍結のトラブルが多発し、市民生活に影響が出た。学校は同日、児童生徒の安全確保のため休校や始業時間繰り下げが相次いだ。

 福井県警交通部によると、24日午後4時から25日午前9時までの間に、田んぼへの転落やスリップによる追突などの車の事故が県内で161件(暫定値)あった。福井市消防局によると、25日午後5時までの24時間で、凍った路面で足を滑らせるなどして2人が骨折、3人が打撲で救急搬送された。

 福井市企業局には25日午後3時までに「水が出ない」「出にくい」といった水道管凍結によるとみられる問い合わせが127件寄せられた。市営団地4カ所では計20世帯が断水。市市営住宅課によると、同日午後4時時点で解消のめどは立っておらず、各団地の集会所の水場活用を呼びかけた。同課の担当者は「凍結の影響がこれだけ出るのは少なくとも過去10年はなかった」と驚いた。

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 福井県教育委員会などによると、県立高校は羽水や敦賀、道守など全日制と定時制の計10校が休校。福井、嶺南東、嶺南西の各特別支援学校も休校したほか、他の県立学校も大半が始業時間を繰り下げた。公立小中では小浜市と若狭町、高浜町の計12校が休校。私立学校や各大学でもオンライン授業に切り替えたり、休講したりするなど対応に追われた。

 藤島高校は始業を午前10時半に繰り下げ、部活動を中止し午後4時ごろ下校した。普段はあわら市からJR北陸線で通う2年の女子生徒は「列車が動くか不安もあったので自主的に休んだ」と話し、リモートで授業を受けたという。

 JR福井駅では、ダイヤの乱れの影響を受けた利用者が疲れた表情を見せた。敦賀市から福井市に通勤している会社員の男性(25)は「(24日夜は)帰れなかったので駅周辺のホテルに泊まろうと考えていたのに午後7時ごろにはどこも満室。結局、福井に住むいとこの家に泊まらせてもらった」。24日に大阪から特急で福井に向かっていたという男性(25)は「午後4時台の列車だったけど福井に着いたのは明け方。ホテルは満室だったので漫画喫茶で過ごした」と話した。

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