続く寒波の影響 水道管凍結や交通事故相次ぐ 臨時休業の温泉も

凍結で破損した水道管の修理依頼に応じる加藤社長=26日午後、宇都宮市内

 強烈な寒波による影響で、栃木県内では25日から26日にかけてもスリップ事故や水道管の凍結などが相次いだ。26日早朝に氷点下16.4度を記録した大田原市では、配水管の凍結で温泉施設が臨時休業した。給湯器などを扱う事業者は、修理依頼への対応に追われた。

 県警交通企画課によると、25日午後4時から26日午前9時までに、降雪によるスリップ事故が87件発生。けが人はおらず、12件がスタッドレスタイヤなど滑り止めを付けていなかった。

 午前7時40分ごろ、日光市土沢の市道交差点で同市、会社員女性(21)の乗用車が路線バスと衝突した。乗用車が一時停止しようとした際、凍結路面で滑ったことが原因とみられる。

 那須塩原市には26日、凍結に関する問い合わせが124件寄せられた。水道が使えなくなった市民のために公民館15カ所で水道水を供給。足利市では約80件、宇都宮市でも26日は正午までに69件の相談があった。

 大田原市の「湯津上温泉 やすらぎの湯」では、貯水タンクに水道水を運ぶ配水管が凍結。26日午後5時から臨時休館とした。担当者は「対策していたが、想定外の寒さだった」と驚く。

 LPガス販売の「あいづや」(宇都宮市)には、凍結による給湯器の修理依頼などが10件以上あった。加藤貞政(かとうさだまさ)社長(51)は「これまでの寒波の中で格段に多い」と話す。26日夕には、屋外の水道管が凍結により漏水した市内の民家で破損状況などを確認した。

 加藤社長によると、蛇口から割り箸1本ほどの細さで水を流し続けることや、給湯器を水抜することで凍結を予防できるという。

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